カテゴリー: 高断熱

付加断熱でどれくらい断熱性能が上がるのか

付加断熱施工後
「上越滝寺の店舗併用住宅」では、外壁の断熱性能を上げるため、付加断熱を採用しています。写真の左側外壁が付加断熱施工後、右側外壁は施工前の状態です。(タイベックと印刷してある白いシートの裏側に隠れているため、断熱材自体は写真に写っていません。)右手の横になった材木の間に付加断熱材をはめ込んでいきます。付加断熱材にはグラスウールを採用しているため、断熱材をはめ込み後、断熱材が濡れないよう、直ぐに防湿シートを張り付けていきます。

付加断熱スケッチ

外壁の内部に入れ込む充填断熱材が厚さ105ミリ。それに加えて、付加断熱材が45ミリですので、合わせて断熱材の厚さは150ミリになります。通常の壁内の充填断熱だけの壁と熱貫流率を比べてみると、

  • 充填断熱105ミリのみ → 熱貫流率 0.41 W/m²・K
  • 充填断熱105ミリ+付加断熱45ミリ → 熱貫流率 0.28 W/m²・K

と、大きな違いがでます。付加断熱の方が単純に断熱材の厚みが増していることもありますが、計算結果を見ると、柱などによる熱橋が減ることが有利に働いていることが読み取れます。

熱貫流率とは、外壁を通過する熱量のことで、数値が小さいほど通過する熱の量が小さく、断熱性能が高いことを示します。両者の数値を比べてみると、付加断熱の方が1.4倍、断熱性能が高い。この数字の差の意味を一言で言うなら、冬場なら1時間あたりに内壁の温度が、充填断熱のみなら1.4度下がるのに対し、付加断熱の方は1度下がるということです。室内の温度を一定に保つためには、壁から逃げる熱エネルギー分だけ暖房で供給する必要があるのですが、充填断熱のみの方は暖房エネルギーが1.4倍必要になります。

住宅の場合、全体の表皮面積に対する外壁の比率が高いため、外壁に付加断熱を加える効果は大きいと言えます。ただし、外壁面積が大きいということで、逆に施工面積が多く、建設費が上がってしまうマイナス面もあります。

新住協(新木造住宅技術研究協議会)の登録会員になりました

新住協QPEX

昨年度より、新住協(新木造住宅技術研究協議会)の登録会員になりました。

これまでの断熱等級が見直しとなり、今までの断熱等級4に加え、上位レベルの断熱等級5が設定されました。
また更に上位等級の6、7の設置検討もされており、断熱性能のレベルアップは加速していくものと考えられます。そのような社会の流れを鑑み、当事務所も高断熱・高気密住の普及を目指して、新住協へ事務所登録しました。

本年より、当事務所で設計する物件は全て、新住協の提供する計算ソフト「QPEX」で断熱性能計算を行い、平均熱貫流率Ua値や冷暖房エネルギー値などを提示します。また計算データを基に詳細な検討を行い、可能な限り断熱性能の向上を図りたいと考えています。

昨年2021年中には2棟、HEAT20 G1グレードの設計を行い、実際に住宅が竣工いたしました。その現場監理の経験を活かし、今後も高断熱・高気密住宅の棟数を増やしていきたいと思います。高断熱・高気密住宅に興味のある方は、お気軽に問い合わせください。

気密測定試験について

気密測定試験

「上越滝寺の店舗併用住宅」では、気密測定試験を行いました。気密測定は一般的に、工事の途中段階(気密工事完了後)と建物完成時に行います。

工事の途中で行う場合、仮にどこかに穴が開いていたとしても、その場所を特定することができ、直ぐに手直し対処ができるので、気密性を確実にするのにとても有効です。建物完成時に行う気密測定は、最終的な気密値がいくつなのか、確定するために行う試験です。最終的には外壁に配管のために穴を開けたり、工事途中とは気密条件が変わるので、最終的な気密値を知るため、完成時の測定を行います。

ただし、気密測定には1回ごとに測定費用(およそ5万円/回)が掛かるので、予算上、もしどちらか一方の試験だけ、という場合には工事途中で測定を行うと良いでしょう。(その理由は以下に書きます)

気密測定値について

測定値は、C値(相当隙間面積)で表されます。床面積1㎡当たりの隙間面積(cm2)を現したもので、高気密住宅ですと、C値=1以下が最低基準とされています。数値が小さいほど、隙間が少ない目安になり、より高気密であると言えます。

気密測定試験

気密測定は、専門の測定業者が行います。送風機で室内の空気を外へ掃き出し、圧力差を測定することで隙間面積を判定します。もし測定時に、どこかに隙間があれば、外部から風がヒューヒューと入ってきますので、明らかにそこに隙間があることが分かります。もし、隙間の場所が特定できた場合には、直ぐに手直し気密処理を行うことができます。

上記の写真は、どこかに隙間がないか、探している図です。建物の全体をぐるぐると回り、部分部分に手をかざして風が漏れていないか、入念に確認していきます。

気密測定試験

上記写真が、測定結果です。右上の数値、C値=0.5(cm2/㎡)となっています。相当隙間面積が65cm2ですので、建物全体で約6.5cm×10cmの隙間が存在することになります。はがきが14.8cm×10cmの大きさですので、建物全体の隙間を足して、はがきよりも小さな面積でした。目標C値が1以下でしたので、十分、数字を満たしていることが確認できました。

今回採用した断熱材は、壁・天井ともグラウウール断熱材で、一般的には気密性が確保しにくいと言われています。しかし注意を怠らず、入念に施工を行うことで、気密性を確保できることが証明できました。

気密性能が高いと、どんなメリットがあるのか

気密性能が高ければ、つまり、隙間が少なければ、暖めた(夏であれば冷やした)室内の空気が外へ逃げる量が減ります。逃げる量が減れば、冷暖房効率が上がり、省エネになります。特に冬場は隙間が多いと、冷たい冷気が足元から入ってきますので、冷えを感じやすくなります。

また隙間が多い場合、換気扇による風の流れをうまく作ることができず、室内の空気が滞留しやすくなってしまいます。

気密測定はやり直しできるのか?

もし思うような気密測定結果が出なかった場合は、どうなるのか?再度、測定はしてもらえるのか?それとも測定費用が余計に掛かってしまうのか?

答えを先に書きますが、その測定最中であれば、測定のし直しは可能です。実際に、今回の測定では最初、全く思うような数字が出ず、おかしいということになって、どこかに穴が開いてないか探し回ることになりました。(最終的には、換気扇の穴を一箇所、塞ぎ忘れていたことが判明し、直ぐに対処できました。)

気密測定試験

数値が思うように出なかった場合、一箇所にまとまって穴が開いているのか、それもと分散して小さな穴が開いているのか、その傾向が測定機に表示されます。もしまとまって穴が開いている場合、今回のように、どこかに塞ぎ忘れがある可能性があります。気密測定は、一発勝負ではありません。施工上のミスが無いかを確認し、気密性を確実にするために行うものです。よって、その場で何度も測定し直すことは可能です。(ただし、手直しに時間がかかり、後日改めて測定しなければならない場合には、再度、測定費用が掛かります)

気密試験を行うメリット

気密測定試験を行う利点は、大きく以下の3点です。

  • 隙間などがあった場合に直ぐに手直しができ、気密性を確実なものにすることができる。
  • 気密性能をきちんと数値で示せる。(感覚的なものでなく、きちんとした根拠ある数字で示せる)
  • 気密測定を行うことで、現場管理がきちんとする。(逆に気密測定を行わないと、現場での管理が曖昧になってしまう)

気密工事に関して施工実績と経験があり、気密測定を行わなくとも、きちんとした気密性能を実現することができる施工会社は、現状ではまだ多くはありません。建物の気密性を担保するためにも、きちんと気密測定を行うことは有効です。今後、私の事務所では、工事途中の気密試験を必須条件にしていきたいと思います。

高断熱住宅にするには、いくら費用が掛かるのか

「上越滝寺の店舗併用住宅」では、外皮平均熱貫流率Ua値を0.39と設定して、断熱材の仕様を決定しています。家を建てるに際して、どの程度の断熱性能とするのが適切か、きっと迷うことでしょう。設計を専門にしている私でさえ、一体どこまでの断熱性能が適切な数値なのか、迷ってしまうことがあります。当然、技術的に断熱性能を上げていくことは可能ですが、性能が上がれば上がるほど、建設費も比例して上がってしまいます。

果たして、どの程度の断熱性能が適切なのか。同じ室温でも寒い・暖かいなど、そこで暮らす人の感覚にも左右されてしまうので、基準は必ずしも一定ではありません。とはいっても設計者は専門家である以上、きちんと目標数字を決め、目標に基づいて断熱仕様を決めなければなりません。設計者が何を目安に断熱仕様を決めているのか、断熱材には何を使っているのか、性能を上げるにはいくら掛かるのか、を紹介したいと思います。

住宅の断熱性能の目安はどう決まっているのか?

上越滝寺の家
建物の断熱性能は、現行では、その地域ごとの平均熱貫流率(Ua値)を目安に判断することになっています。ちなみに「上越滝寺の店舗併用住宅」の平均熱貫流率Ua値は0.39ですが、その数字がどの程度の水準かと言うと、新潟県上越市(地域区分5)では、以下のようにHEAT20 G1クラスを余裕で満たし、HEAT20 G2までは少し届かない程度の断熱性能となっています。(G1とG2の中間あたり、HEAT G1.5程度とイメージすると良いかも分かりやすいかもしれません)

上越市(地域区分5)のUa値水準(下にいくほど断熱性能が上がります)
・Ua値0.87以下 平成28年度基準相当(断熱等級4)
・Ua値0.60以下 ZEH基準相当(断熱等級5)
・Ua値0.48以下 HAET20 G1基準(←この数字は余裕でクリア)
・Ua値0.34以下 HAET20 G2基準(←ここまでは届かず)

一般的に考えて2021年現在、「Ua値0.60以下」をクリアすることが、高断熱住宅と呼ぶための最低限必要な断熱性能と思われます。また高断熱住宅とキッパリと言い切るなら、さらに上の「Ua値0.48以下」を目指したいところです。

専門家でない限り、HEAT20 G1水準と言われても具体的にどの程度の断熱性能か、イメージしにくいかと思います。現実的な体感温度として伝えるなら、冬場、前夜の23時に暖房を切って就寝し「最も温度の下がる北側の非暖房ゾーンで、暖房をつける前の早朝5時頃に体感温度10度を下回らない」という水準になります。簡単に言い切ってしまうなら、夜間に暖房を止めても冬の一番寒い時間にどの部屋でも10度を下回らない、という水準になります。

なお、HEAT20 G2の場合は、同様の条件で「早朝に13度を下回らない」となります。ここで注意すべき点は、暖房を行わない最も寒い部屋ですので、通常なら北側の廊下やトイレなどの温度を指すことになります。(ですので、前日に暖房を行っていたリビングなどの部屋は体感温度10度(または13度)よりもずっと暖かい、という事ですので、お間違いなく。)

改めて表にすると、上越市(地域区分5)で、一年で最も寒い時期に(2月頃の早朝、外気温-2度くらいの時間に)最も寒い部屋で
・Ua値0.87 平成28年度基準相当→8度を下回らない
・Ua値0.60 ZEH基準相当→9度を下回らない
・Ua値0.48 HAET20 G1基準→10度を下回らない
・Ua値0.34 HAET20 G2基準→13度を下回らない
が、おおよその体感温度の目安と考えてもらえば間違いはないかと思います。

この温度感を目安に、建物の断熱性能を決めていくようにします。当然、人によって寒さを感じる程度が異なりますので、その方の体感に応じて目標値を調整することも大事です。また、人は歳をとるに従って、寒さを感じやすくなるため、今現在だけでなく、10年先のことまで考えて断熱性能を決めていくことをおススメします。

断熱材には何を使うのが有効か?

高性能グラスウール施工

断熱性能を実現するために、屋根、外壁、床下に性能の高い断熱材を入れ込み、室内の熱が外部へ流れるのを防ぐ必要があります。当然のことですが、断熱性能を上げるに従って、建設費用も上がってきます。建て主としては、断熱性能を上げつつ、コストも抑えたい、というのが心情でしょう。つまりコストパフォーマンスの高い断熱材を使いたい、という要望に応える必要が出てきます。

私の設計した建物では、上記の要望に応えるために、コスト当たりの断熱性能が最も高い製品である高性能グラスウール断熱材を使うことにしています。他にも断熱性能のもっと高い製品もあるのですが、日本国内どこでも直ぐに手に入るグラスウールに比べるとまだまだ値段が高い印象があります。また、グラスウールは昔から大工さんが使ってきた製品でもあるため、施工性が高く、導入に当たって施工コストを抑える事ができるというもの大きな理由です。

ただし、グラスウール断熱材にもデメリットがあります。施工方法を間違えれば、すぐに性能低下へとつながりますし、湿気に弱いため材料保管や施工には細心の注意を払う必要があります。

高断熱住宅にかかる費用はいくらか?

断熱工事

例えば、木造2階建て延床面積35坪の平成28年度基準(断熱等級4)の住宅を、HEAT20 G1クラスまで断熱性能をあげるには、いくら費用が割増になるのか?を計算してみようと思います。

この規模のH28年度基準の住宅ですと、断熱材全ての材料費は40万円程度になります。その断熱材をHEAT20 G1を満たす断熱材へ変えた場合、およそ断熱材の材料費が30万円アップします。また外壁付加断熱が必要となるためその取り付け工事費で20万円アップ。更に気密処理などで5万円増。その他、サッシを樹脂複合から樹脂サッシに仕様アップして30万円増。ちなみに天井や壁、床に入れ込む断熱工事は断熱材の仕様が多少変わったとしても施工手間は一緒なので増額無しの0円。以上、合計すると85万円の割り増しになります。

・断熱材仕様アップ+30万円

・外壁付加断熱+20万円

・気密工事+5万円

・樹脂サッシに仕様アップ+30万円

上記合計=85万円

割り増した金額を坪数で割れば、85万÷35坪=2.4万円/坪の増額になります。仮に建設坪単価が85万円/坪だとすれば、延床面積を一坪小さくすれば、まかなえる金額です。建物を少しだけ小さくして、その分の差額で断熱性能をアップすると考えるのはどうでしょう。コンパクトにした分で、夏涼しく、冬暖かく。そんな価値観があっても良いと思います。
(※記事掲載時の増額を表示していますが、その後、建材高騰のため記載した価格よりも金額は上がっています。)

「ユニベールハウス」断熱仕様について

「ユニベールハウス」工事がスタートした頃は、まだ残暑が続き、暑い暑いと言いながら現場作業していたように思うのですが、気がつけば既に肌寒い季節になってきました。夏になれば暑さが、冬が近づけば寒さが、つい気になってしまうのが人情ですが、今回は断熱性能についての話です。なぜなら現在、現場ではまさに断熱工事が進行中!だからです。

断熱材は色々なメーカーが研究開発を重ね、現在、さまざまな種類の断熱性と気密性が高い製品が市場に出ています。10年前に比べると、同じ値段で手に入る断熱材の性能は、格段に上がっているというのが実情です。数ある断熱材の中からどの断熱材を選ぶのが良いのか。各社のカタログを見比べて今回選択したのは、在来工法でもっとも一般的に採用されている高性能グラスウール断熱材でした。

高性能グラスウール断熱材を採用した理由は、一般流通している製品で日本中どこでも手に入りやすいこと(つまり全国どこの建材屋さんでも手に入り、かつ、導入コストが安い)、また、大工さんが昔から使っていて最も慣れており、施工スピードが速くて施工が確実なこと、でした。高性能と呼び名がつくだけあって、一般のグラスウールよりは材料自体の値がやや張りますが、高性能グラスウールだろうと、一般グラスウールだろうと、(グラスウールの厚みが一緒なら)大工さんのグラスウールの施工手間は全く一緒。施工手間は変わらず、グラスウールの差額分を増額するだけで高性能な断熱材を導入できるので、費用対効果が大きく、おすすめです。

サッシには、樹脂複合サッシ+複層ガラスとし、日差しの差し込む大きな窓については熱線反射ガラス(Low-Eガラス)を採用しました。数年前まではアルミサッシが主流で、樹脂複合サッシは、まだ金額が高かったのですが、近年、国の省エネ政策の影響もあり、アルミサッシの1~2割増しで手に入るようになりました。また、更に断熱性能の高い樹脂サッシも普及が進んできており、価格が年々、下がってきています。今回の建物のように、大開口窓を設けるような住宅では、窓サッシの性能を上げるのは、建物の断熱性能アップにとても有効な手段です。

上記の仕様で、建物の断熱性能は(正確には外皮性能ですが)、平均熱貫流率(UA)値=0.64W/㎡Kとなっています。ZEH(ゼッチ=ゼロエネルギー住宅)の断熱性能基準が新潟市では、UA値=0.6以下ですので、ゼロエネルギー住宅にはちょっと届かないという数値ではありますが、坪単価を抑えたローコスト分譲住宅という建物の性質を考慮すれば、それなりにハイスペックな断熱住宅の部類に入れても良いのではないかと思います。

分譲住宅においては、販売価格と断熱性能スペックのバランスが重要となるので、今回はこの断熱性能としましたが、もっと断熱性能を上げていくことは技術的には当然、可能です。例えば、断熱材をの厚さを上げる、または、窓を全て樹脂サッシにする、Low-Eガラスを採用する、など方法はいくつもあります。部屋の広さやデザインなどと違って断熱性能は、ぱっと見で伝わるものではないので、どこが適正値かを決めるのはとても難しいところではありますが。

思い返してみると、私の事務所で設計している住宅は、年々、断熱性能が上がってきています。10年前の住宅と今の住宅では、まったくといっていい程、断熱性能が違っています。それは、断熱材の性能アップという断熱メーカーの努力と、省エネルギーに対する人々の意識が変わってきたことの現れと言えるかもしれません。

付加断熱+遮熱シートを採用しました

「岩室の平屋」現場では現在、外壁の断熱工事に取り掛かっています。外壁には高性能グラスウールで充填断熱を行うのですが、その断熱に加えて外壁の外側にも、付加断熱でグラスウールを増し張りしていきます。

外壁に充填断熱する場合、木造だと壁の厚さには限度があり、壁厚以上には断熱材を入れ込むことはできません。ZEHレベル、HEAT20 G1レベルまで建物の断熱性能を上げるためには、壁の外側にも、さらに付加断熱材を取り付けていく必要があるのです。(ちなみにこちらの住宅は、平均熱貫流率Ua値=0.47。断熱性能HEAT20 G1相当としています。)

外壁付加断熱

上の写真は、付加断熱として外壁外側にグラスウールを取り付けた施工写真です。グラスウール自体は、雨で湿気を含んでしまうと断熱性能が落ちてしまうため、グラスウールを取り付けた上に、防水シートを張り付け、性能の低下を防ぐ必要があります。

今回採用した防水シートは、熱を遮る効果のあるアルミを表面に施した遮熱仕様の防水シート。写真で見えているシルバー色のシートが遮熱防水シートです。断熱性能に加え、遮熱性能を付加することで、夏場の建物性能を更にアップさせようと考えました。

しかし、こちらの遮熱シートはまだ発売されたばかりで、実証実験が進んでおらず、確実に効果がある、とは言い切れません。が、少なくとも通常の防水シートに比べれば、熱を遮る効果があることは間違いないはず。加えて、紫外線などで断熱材が経年劣化していくのを防ぐ効果が期待されます。遮熱防水シート自体の金額は、一般の防水シートと比べ大きな価格差がなかったので今回、初めて採用してみました。(およそ一軒あたり数万円のコストアップで遮熱仕様へ変更することが可能。費用対効果が高いと判断しました。)

新築時の性能だけでなく、経年劣化による性能低下も考慮し、最大限の対処しておくことは、モノづくりにおいて大切なことです。(こちらの建物では、外壁だけでなく、屋根下地にも遮熱仕様の防水シートを採用しています)

外壁付加断熱

近年、断熱材の使用部位や要求性能によって、さまざまな製品が、さまざまな断熱メーカーから毎年、発売されいています。また遮熱、断熱建材も日進月歩、日々進化しています。設計者として各社カタログにはいつも目を通しているのですが、製品の移り変わりはとても早く、選定するだけでも一苦労です。

グラスウール一つとっても、性能の違いがあり、かつ、価格もそれぞれ異なります。スタイロ系断熱材や発泡系断熱材など、グラスウールよりも更に優れた断熱製品もあるのですが、どこまで費用を掛けるか、導入費用と断熱効果を天秤にかけて、何が適切かを検証していくことが大事です。

「燕のガレージリノベーション」断熱内壁工事

「燕のガレージリノベーション」現在、大工工事が進んでいます。もともとの建物が車庫(倉庫)でしたので、壁や天井には断熱材が一切入っていませんでした。このまま仕上げをして見た目だけがきれいになっても、夏熱く冬寒いのでは、快適に過ごすことは不可能です。ですので、先ずは部屋をぐるりと囲うように断熱工事をしていきます。

通常の建物ですと、壁の内部に断熱材を入れてあるのですが、リノベーションに当たって、内壁全てを一度解体して、断熱材を入れ、再び内壁を仕上げていては、解体費の分、割高になってしまいます。そこで今ある壁を解体せずそのまま残し、その壁の内側に新たに壁を新設し、断熱材を入れるという方法を採用しました。魔法瓶のように内側で更に断熱するイメージというと分かりやすいかもしれません。

また、この方法を採用したもう一つの理由は、既存建物の精度でした。既存の建物はすでに傷みが進んでおり、壁や床がすでに水平、垂直ではないという状況でした。新たに設置する壁であれば、正しく水平垂直を出せるという事。かつ、内側に壁を建てることで構造的な補強にもあり、耐震性も上がるという事にも期待しました。 とうことで、まずは外壁に沿って内壁を設置中です。この下地の内側に断熱材を入れ込んでいきます。

内壁断熱工事
内壁断熱工事

「上越高田の家」充填断熱工事

「上越高田の家」現在、断熱工事が進行中です。ここ上越地域は新潟県の中でも、冬の期間が長く、積雪量の多い地方ということを考慮し、断熱性能を高めに設定しています。

床、外壁、天井と、建物全体をぐるっと魔法瓶のように断熱材で囲っていきます。今回の建物で採用しているのは、充填工法と呼ばれる在来木造の一般的な断熱工法です。気密性を確保するため、断熱フィルム同士の隙間がないよう、重ね合わせ寸法などをチェックしていきます。

断熱工事
断熱工事
断熱工事

標準化住宅プロジェクト「ベーシックハウス」断熱性能について

標準化住宅プロジェクト「ベーシックハウス」現在、断熱工事が進行中です。ベーシックハウスは、ローコストを目標とした建物ですが、標準仕様で断熱等級4=フラット35S断熱(新潟地域)仕様に対応しています。断熱等級4とは、改正省エネ基準(H25年基準)での最高等級となります。もうワンランク仕様を上げれば、ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)にも対応することも可能です。

金利メリットがあって、かつ、暑さ寒さに強い家。心地よさや見た目などのデザインも重要ですが、断熱性能や耐震性能などの基本性能も疎かにしないように考え、設計をしています。デザインは良いのだけど、断熱性能はちょっとね。。。なんて建物では、やっぱり住みにくい住宅になってしまいますので。

断熱工事
断熱工事
断熱工事

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応いたします。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)ビルダー登録設計事務所となりました。金子勉建築設計事務所では、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の新築、または、既存住宅をZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)へ改修する際の補助金(補助額75万円)申請業務を行うことが可能となりました。
当事務所のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現目標等はこちらをご覧下さい。

「ベーシックハウス」断熱工事と断熱仕様について

「ベーシックハウス」サッシ取り付けに続いて、現場は断熱工事に入っています。木造の場合、断熱工事といっても、断熱工事専門の職人さんが行う訳ではありません。やっぱりここでも大工さんの登場です。大工さんは木工事を行うだけでなく、アルミサッシの取り付けをしたり、断熱材を入れたりと、多彩に工事をこなしていきます。断熱材を手際良く、外壁内部に隙間なく押し込んでいきます。

今回採用したのは、コストと性能の面で優れているグラスウール断熱材。建物の断熱仕様は、寒いのが苦手というお施主さんのため、フラット35断熱性能等級4(次世代省エネルギー基準の最高等級)としています。ローコストだけを目標とするのでなく、お金をかける所にはきちんと手間とお金を掛けていきます。



「燕の空家リノベーション」床下断熱工事

「燕の空家リノベーション」2階の床工事が終わり、大工さんは1階の床貼り工事に入っています。こちらの1階の床下には断熱材を施工することにしました。

床板を剥がして覗いてみると、予想通り今回も断熱材は施工されていませんでした。古い家は床下には断熱材が全く入っていないことが多く、冬場はほんとうに足下が冷えます。昔の人は、本当に強かったのだなあと、感慨深くなります。当初、敷き込んであった畳を撤去したこともあって、さすがに床下にだけは断熱材を施すことにしました。

大工さんも作業の要領が分かってきたのか、どんどんペースアップしています。このような熟練した技術が必要な作業、特殊な工具・加工道具の必要な作業は、やはりプロに頼むのがオススメです。蛇の道はヘビ、もとい、餅は餅屋といいますか。素人でも時間と手間を掛ければ出来ない事はないのですが、途中で心が折れてしまう可能性が高い。

リノベーションのポイントは、自分たちでやれるDIY作業と、プロに頼む作業を見極めていくことです。

リノベ床下断熱
リノベ床下断熱