24年ぶりに断熱性能等級が改定されました

断熱工事

建物の断熱性能を示す「断熱性能等級」が2022年10月より改定され、今まで最高等級だった断熱性能等級4の上位に断熱性能等級5、6、7が加わりました。断熱性能等級4は、1999年の法律で定められた基準で、既に法成立から24年経っており、実情とは大きくかけ離れた運用基準となっていました。

最高断熱等級4で建物を作ったのに、冬に寒く、夏に暑く感じる、といった住まい手とのイメージの食い違いから、高断熱住宅を作る設計者の間では、更に厳しい上位のHEAT20(高断熱住宅研究会のG1、G2、G3の断熱基準が運用されてきましたが、今回の法律改正により、断熱性能等級とHEAT20基準がある程度、足並みが揃うことになりました。

とはいえ2023年時点、両者ともに同時に運用されており、また少しずつ両者の性能基準が異なっており、混乱しがちですので整理したいと思います。

新潟の断熱性能等級のランク

断熱性能等級は地域ごとに異なりますので、新潟の断熱地域区分5を例にとって解説します。新潟などを対象とする「地域区分5」では、

  • 断熱性能等級4のUa値は「0.87」
  • 断熱性能等級5は「0.60」
  • 断熱性能等級6は「0.46」
  • 断熱性能等級7は「0.26」

となっています。Ua値(外皮平均熱貫流率)という数値が示しているのは、外皮面積当たりの熱損失の平均値で、単位は「W/㎡・K」、数値が小さいほど逃げる熱の量が少なく、断熱性能が高いことを示します。等級4に比べ、等級6は1.9倍、等級7は3.3倍の断熱性能を有しています。

新潟のHEAT20のランク

新潟=地域区分5では、HEAT20のランクは、以下の3種類に規定されています。

  • HEAT20 G1のUa値は「0.48」
  • HEAT20 G2のUa値は「0.34」
  • HEAT20 G3のUa値は「0.23」

断熱性能等級4よりも上位の性能ランクがあり、断熱性能等級5~7がまだ無かった頃には、こちらのランクが運用されていました。

新潟の断熱性能等級とHEAT20のランクを整理する

断熱性能等級5~7とHEAT20 G1~G3は数値が被っている部分があり、混合されがちですのでUa値性能順に並べ直してみます。下に行くほど順に高性能になります。

  • 断熱性能等級4/0.87
  • 断熱性能等級5/0.60
  • HEAT20 G1  /0.48
  • 断熱性能等級6/0.46
  • HEAT20 G2  /0.34
  • 断熱性能等級7/0.26
  • HEAT20 G3  /0.23

多少数値は異なりますが、HEAT20 G1と断熱性能等級6が同等、HEAT20 G3と断熱性能等級7が同等となっています。やや複雑ですので、HEAT20を断熱性能等級に変換してみたのが下記の表です。こちらは私の勝手な主観で数値変換していますので、公式なものではありません。

  • 断熱性能等級4/0.87
  • 断熱性能等級5/0.60
  • 断熱性能等級5.8(HEAT20 G1)/0.48
  • 断熱性能等級6/0.46
  • 断熱性能等級6.6(HEAT20 G2)/0.34
  • 断熱性能等級7/0.26
  • 断熱性能等級7.2(HEAT20 G3)/0.23

しばらくの間は、両者の断熱性能規定が同時に運用されていくことが予想されますので、上記の表を参考にしていただくと分かり易いかと思います。断熱性能等級ごとの体感室温に関する記事はこちらを参照ください。

Ua値性能が高くなるほど、つまり、断熱性能等級が高くなるほど、換気や気密性による熱損失の影響が大きくなってきます。Ua値だけでなく、気密性を上げ、熱交換換気扇を導入して熱損失を減らすことを同時に考慮し、費用対効果を上げることが大切です。熱交換換気扇の導入によって、断熱等級6では約40%、断熱等級7では約60%もの、暖房負荷が削減されるといったデータもあります。