年: 2012年

寺尾西の家 ホタテ貝殻の壁仕上げ

寺尾西の家の壁仕上げは、ホタテの貝殻が原料のエコドマスウォール。
漆喰は「石灰岩」を原料としてますが、
エコドマスウォールはホタテの貝殻を焼成したものを原料としています。
漆喰壁と同様に吸湿性を持ち、
室内環境を安定させてくれるという効果を持っています。
こちらのエコドマスウォールを施主さん自ら、ローラーで塗装しました。
ざらっとした質感が陽の光を柔らかく受け止め、
しっとりとした優しい空間を作り出しています。
自然素材を原料としているためか、
塗料独特の嫌な匂いは全くせず、とても快適な住まいが実現できます。
寺尾西の家

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鵠沼の家 1/50模型

こちらは、内部の空間スケールを検討するために作った1/50模型です。

設計図面というものは2次元ですが、私たちが実際に設計しているのは3次元の空間です。柱梁などの構造体やサッシ、仕上げ材などの物質を組み合わせることで空気感というような実体のないものをつくっています。その実体のないものを確認するため、模型を作っているとでも言えばしっくりくるように思います。

作成した模型をいろんな角度から何度も覗き込み、天井高さや窓の位置を調整し、決定していきます。図面を書き、模型を作り、その模型を修正し、図面を修正していく。2次元と3次元を何度も行ったり来たりの作業。

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「鵠沼のオフィスリフォーム」石膏ボードに落書き

「鵠沼のオフィスリフォーム」打ち合わせのため現場へ。現場では下地の石膏ボード貼り工事が進行中。ボードを貼る作業のすぐ隣で、今後の仕上げ材の納まりについて、監督さん、大工さん達と打ち合わせ。

行き当たりばったりの工事では、最後になって寸法が納まらない箇所が出てきます。工事の最初の段階で綿密に打ち合わせをすることで手戻りなく、美しい納めが実現できるのです。石膏ボードの上に詳細な原寸図を書き込み、真剣な面持ちで、ああでもないこうでもないと、納まりを検討中する面々。

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「鵠沼のオフィスリフォーム」改装工事開始

かねてより設計を進めていた鵠沼のオフィスリフォーム計画、内装工事がいよいよ着工いたしました。既存の間仕切り壁を解体し、新たに壁下地を立て込んでいきます。建築の工事とは異なり、内装リフォームはスピードが勝負。あれよあれよという間に工事が進んでいきます。

工事が始まるなり設計の方も、仕上げ材の色の決定や、詳細の納まりなど、検討事項が山のように積み重なっていきます。一つ一つを瞬時に判断し、現場へ返していく反射神経が重要。例えるなら、建築工事がマラソンなら、内装工事は短距離走。竣工まで1ヶ月。いっきに駆け抜けていきます。

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アントニン・レーモンド設計「聖オルバン教会」を訪れて

東京タワーの足下に聖オルバン教会は位置する。今まで何度も目の前を通ってはいたが、この教会がアントニン・レーモンドの設計によるものだとは今まで知らずにいた。軽井沢の聖パウロカトリック教会から約20年後に設計された教会だという。

レンガ積みの壁の上に、桧の半割磨き丸太で複雑に組まれた屋根。約9m近い大スパンの割に部材は、スレンダーだ。そのためか、聖パウロカトリック教会に比べ、繊細な印象の内部空間が生まれている。

交通量の激しい表通りが嘘のような静けさ。その静けさを破るように、パイプオルガンの音が響きわたる。平面構成も仕上げ材も、いたってシンプル。しかし、そこには質素で簡素でありながらも、そこはかとない強度のある場が成立していた。

聖オルバン教会
住所: 東京都港区芝公園3-6-25
電話:03-3431-8534
※特別な一般公開は行なっていません。礼拝の場ですので各自お静かに見学を。

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アントニン・レーモンド設計「聖アンセルモ目黒教会」を訪れて

ここのところ、アントニン・レーモンドが設計に関わった教会をいくつか見てきたがどれもが木造軸組形式の教会であった。そこで今回、構造形式の異なる鉄筋コンクリート造の教会を見てみることにした。訪れたのは目黒駅近くの聖アンセルモ目黒教会。

レーモンドといえば、打放しコンクリートを世界で初めて使ったことで知られる。この教会も聖堂内部は、荒々しいコンクリート打放しで仕上げられ、男性的で硬質な空間が生まれている。連続して立てられたコンクリート壁の隙間からは、硬質な陽が差し込み、刻々と陽の差し込む角度が変化していく。変化することの出来ない建築に、動きを与えていく光。まるで建築に生命を吹き込んでいるかのようだ。

木造と鉄筋コンクリート造。両方の建物を比較して気づいたのは、それぞれの材の使い方の違いだ。木は線材として、コンクリートは板材として、構造的な合理性のもと、その性質を最大限生かすような使い方をしている。決して木を板的に、コンクリートを線的に使うようなことはない。
また、最小限の部材で構造的安定性を得ようとした結果、木造のトラス構造が導きだされたのであり、鉄筋コンクリート造の折板構造が導きだされたのであろう。

そういえばレーモンドの建物には、構造形式が表現として心に残るものが多い。そのような率直さと誠実さが、この空間に強度を与えているのかもしれない。

聖アンセルモ目黒教会
住所:東京都品川区上大崎4丁目6−22
電話:03-3491-5461
※特別な一般公開は行なっていません。礼拝の場ですので各自お静かに見学を。

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水ノ塔・篭の塔登山

標高2000mの高峰温泉より、水ノ塔・篭ノ塔を目指す。
高峰温泉の目の前から始まる往復4時間の登山ルート。
2000m級の山を手軽に楽しむことが出来るのは、登山初心者の私にはありがたい。
カラマツの葉が黄色に色づき山一面を覆っている紅葉真っ盛りの南斜面。
しかし、稜線を隔てると風景は一変、
北斜面には枝を凍りつかせた樹氷が広がる。
秋から冬へと、季節は移りつつある。
日本には四季があるという素晴らしさを再確認する。
植物達はすでに冬支度を終え、冬を、そして春を待ちわびている。

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吉村順三設計「軽井沢の山荘」を訪れて

吉村順三設計「軽井沢の山荘」へ。学生時代から建築雑誌などで良く目にしていた、樹々の中に佇むあの詩的な建物を訪れる。道路から少し勾配のついたアプローチを登っていくと、色づいた木立の隙間から、すくっと意志を持つように立ち上がっている姿が見えてくる。ひと回り小さなコンクリートのボックスの上に、片流れ屋根の木造の建物が跳ね出すように載っている。凛とした佇まい。

聞こえてくるのは、鳥の鳴き声と風の音だけ。軒下のような跳ね出しの下の空間には、朝の光が差し込んでいる。暖炉の火を焚きながら、この場所でぼーっとしていたらどんなに気持ちのよいことだろう。2階大窓の目前には、紅葉したモミジの葉。手が届きそうなくらいだ。2階のリビングから見る山の風景は、また格別に違いない。家の中に居ることを忘れ、まるで森の中に佇んでいるかのような開放感。囲まれる安心感と、樹上の浮遊感。その相反する感覚を同時に満たす空間。きっとこの山荘の中では、そのような空間が実現しているのだろう。樹上の住まい。まるで巣の中から外を覗くような。鳥の視点。

ARCHITRAVEL「軽井沢の山荘

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アントニン・レーモンド設計「軽井沢聖パウロカトリック教会」を訪れて

「軽井沢聖パウロカトリック教会」へ。こちらの建物は、旧軽井沢銀座から一本裏の通りに面して建っています。アントニン・レーモンド設計の教会を訪れるのは、新潟県の新発田カトリック教会、北海道の札幌聖ミカエル教会に続いて3つ目。3つの建物とも、三角屋根、尖塔、玄関ポーチの水平庇が特徴的だ。

扉を開け、内部へと入る。正面に祭壇。祭壇バックには丸形や三角形の和紙の張られたガラス窓。ガラスに様々な形にカットした和紙を貼るというのは、日本的に解釈したステンドグラスの表現だという。

上を見上げると、手斧(ちょうな)で仕上げた丸太組みの屋根。力強く、荒々しい空間。レーモンドの作った教会には、繊細さというより、力強さを感じるものが多い。それは、丸太や打ち放しコンクリートなど、使用する素材からきているのかもしれない。しかし、素材感の強い材料は一歩使い方を間違えれば、素材に空間が負けてしまう。力強い素材を力強いデザイン力で纏め上げる、レーモンドのバランス感覚に脱帽。

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西沢立衛設計 軽井沢千住博美術館を訪れて

秋の深まる軽井沢へ。
昨年オープンした軽井沢千住博美術館へと向かう。
美術館周囲に植えられた木々は、赤や黄に色づき始め、
美術館の外観をひっそりと隠している。
建物の外壁面はすべて透明ガラス張りとなっており、
現在は半透明のカーテンで閉じられているものの、
そのカーテンが開けられた姿を想像すると、
その空間の素晴らしさに驚きを感じる。
この美術館を設計するにあたり、千住博氏は設計者の西沢氏に
「ぶっとんだ美術館にしてほしい」と要望したそうだ。
ぶっとんだ日本画家、千住氏らしい話だ。
隆起ある敷地の高低差をそのまま床レベルとして設定してあり、
美術館の中を歩いていると、まるで森の中をあるいているような気分。
ことろどころで立ち止まり、中庭の木々を見たり、
空を眺めたり、また千住氏の絵を見るという趣向だ。
絵と中庭の樹が等価に置かれているところが面白い。
ここは、千住氏の絵の美術館であると同時に、木の美術館でもある。

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「そりっどハウス」厚手ステンレスのキッチンカウンター

「そりっどハウス」のキッチンには、製作キッチンカウンターを採用しています。

きちんと料理をする人のことを考え、カウンタートップには、ちょっと厚めの1mm厚ステンレス板を使っています。がっちりとした使い心地のカウンターは、少々ラフな使い方をしてもびくともしません。重厚なカウンターの上で使う包丁の使い心地は、包丁の重さを受け止めてくれ、とても気持ちのよいものです。

大きさは、幅3200mm×奥行き750mm。2人並んで料理を作っても十分な広さ。手が触れる、引き出し手掛け部分にはチーク材が取り付けてあり、デザインのポイントとなっています。シンプルでありながら、暖かみのあるキッチンカウンター。既製品では物足りないという方は、製作キッチンを検討してみてはいかがでしょうか。

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製作キッチン

「そりっどハウス」時間とともに表情を変えていく家

竣工から半年が建った「そりっどハウス」へ行ってきました。最初は濃いめ、薄めとが混じったランダムな色目だった外壁のレッドシダーは、日に焼け、均一な落ち着いた色目へと変化していました。時間とともに、表情を変えていく家です。

こちらの住宅、南庭の周りにぐるりと塀を巡らせて外部からの視線を遮り、プライベートな中庭としたコートハウス形式を採用しています。プライベートな中庭に面した窓面は、全面ガラスとし、中庭との連続性を持たせています。

中庭に植えた木々の葉が土間に影を落とし、風に揺れています。交通量の激しい前面道路が塀の外、直ぐにあるにも関わらず、この家の中にいると、まったくそんな事を感じることもなく、室内には、塀の外とは違う、ゆったりとした時間が流れています。風に揺れる木々の陰を眺めながら、ぼーーっと何もせず、一日を過ごす。贅沢な時間です。

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