年: 2006年

「中野のコートハウス」アトリエスペースの明るさについて

中野のコートハウスのギャラリー兼アトリエスペース。こちらの部屋へは玄関を通らず、全面道路に設けた掃き出し窓から直接アクセスすることができるようになっています。通りを歩く人が、アトリエでの制作する風景が覗いたり、窓際に展示した作品を手に取ってみたりと、様々な行為が生まれてくることを期待しています。(夜間には閉じることのできる引戸扉が外部に設けられています。)

ギャラリー(アトリエ)スペースに直接光を入れてしまうと、作品が痛んでしまう、キャンバス面が明る過ぎて絵が書きにくいなどの問題が起こってしまいます。かといって、出来る限り自然光で確認しながら作品を仕上げたいという要求もあるため、全く光を入れないということも出来ません。そこで、ギャラリー(アトリエ)スペースには北側上部に大きな窓を設けるという方法を取りました。北窓であれば直接光が差し込むこともありませんし、実は曇った日でも空の拡散光で安定した明るさを得られるという利点があります。

こちらの家のギャラリー(兼アトリエ)スペースは、半地下にあり、かつ、最も陽が入りにくい位置にあります。そこで中庭の外壁にバウンドさせ、外の明るさが柔らかく室内に差し込んでくるような計画しました。また室内の天井、壁、床とも白く塗ったことで、室内全体に光が回り込み、作品制作の場として程よい明るさを実現することができました。

アトリエの明るさ アトリエの明るさ アトリエの明るさ

中野のコートハウス ギャラリー壁ホワイト塗装

中野のコートハウス。こちらの家のお施主さんはご夫婦ともアーティストとして製作活動をされています。今まではギャラリーを借りて作品展をしていたのですが、今回、家をつくるに当たってぜひ自宅で作品展を行ないたいということになり、1階の製作アトリエをそのまま表の道路と引戸で直接繋ぎ、そこで作品展示が行なえるような平面としました。

作品は壁に直接ピンで留め付けるため、貸しギャラリーの壁と同じく、寒冷紗全面張りとした上で真っ白なペンキ塗りとしています。ピンで穴が空いても、パテ埋めしてペンキを塗れば元に戻るという仕掛け。後で再塗装する際は自分たちで壁を塗ることになるため、それならば自分たちで最初からペンキを塗ってみようということになりました。

施主さんと共に、朝から始めた作業は夕方には一段落。無事、真っ白なギャラリースペースが出来上がりました。ギャラリースペースの巾は内法で約1.6mしかないのですが、天井高さがあるためか、圧迫感を感じない気持ちのよい空間となっています。

ギャラリースペース ギャラリースペース ギャラリースペース

「中野のコートハウス」仕上材のコストバランス

「中野のコートハウス」の床仕上げ材は、ラワン合板です。えっ!?と思われる方もいるかと思いますが、そうです、あの下地に使われる合板、いわゆるベニア板なのです。

なぜそんな下地材を仕上げに使ったかというと、建設コストを抑えるためです。床に直接座る場所にはラグやマットを敷いて使うし、ソファやテーブルを置いてしまえば床は直接見えないし、別に床材が何であろうと構わないと、割り切って考えることにしました。その代わりそこで浮いた予算を中庭や床暖房、オール電化など必要な部分へと割り当てています。決して全てがローコストという訳ではなく、こだわってお金をかける所にはきちんとお金を掛ける。そのコストバランスが家をつくる際には大切になります。

ラワン合板床張り ラワン合板床張り ラワン合板床張り

「レストランGUSTO」提案模型作製

現地測量の後、現況図面を起こし、スタディを重ねていきました。厨房器機は何が必要か、席数はいくつが適当か、料理の内容は?求めるお店の雰囲気は?クライアントさんの要望を聞き出し、ひとつひとつ平面へと落とし込んでいきます。それとは別に、今流行っているイタリア料理店で実際に食事してみて、店内の雰囲気や接客などを体験してきました。

色々と考え、出てきた案はこちら。前面道路に面する既存のガラスウィンドウを壁で覆い、横長の連続する窓に変更することにしました。やはり道路から丸見えでは食事していても落ち着かない。食事には適度に囲われた落ち着いた環境が必要と判断しました。窓の高さは椅子に座ると丁度、目線の高さにくるように調整し、囲われていながらも視線が外へ抜けるような設えとしています。また、窓廻りを前面ガラス張りとし、道路に植えてある緑の樹々が増幅して見えるような操作をしています。いよいよ提案です。さてこの案、上手く通るでしょうか。

グースト店内模型 グースト店内模型 グースト店内模型 グースト店内模型

中野のコートハウス 斜め平面の意図は。。。

中野のコートハウス、内装工事が大詰めです。電気、設備、家具、建具など多くの職人さん達が現場の中で作業を行っています。この時期が一番、現場に活気があります。この段階までくると、設計者は現場指示することも少なくなりますが、完成検査の準備や引き渡し事項の確認、細かな納まりの最終チェックなど、今までとは違った業務で忙しくなってきます。

こちらの建物、少し変形した台形の敷地形状に合わせてあるため、建物の平面も整形ではありません。両側の壁が平行ではなく、やや角度がついています。そのためか部屋の広さがちょっと不思議な感じ。トリックアートの様に部屋の奥にいくとその人の背が伸びたように感じるというような。3番目の写真を見ると、畳の納まる部分の脇に台形の形が現れているのが見えます。このような角度が平面の所々に現れています。更に勾配天井を採用することで、その効果を上げています。

今回の家は、床面積がとても小さな家です。部屋といっても巾4m弱しかありません。そのまま何も考えずに作ってしまえば、とても狭苦しい部屋になってしまう恐れがありました。壁に角度をつけ、天井に勾配をつけ、壁と天井を分節せずに真っ白く塗ったのは、少しでも空間が広く感じられるよう、意図して行なったものなのです。

平面
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中野のコートハウス 真っ黒と真っ白な外壁

中野のコートハウス。足場が解体され、全体の姿が現れました。道路側から見ると、真っ黒で重厚な雰囲気。窓の数も数える程しかなく、かなり閉鎖的に見えるかもしれません。外部と対照的に中庭側の外壁は真っ白にしました。こちらは出来る限り光を拡散させ、室内へ光を届けようといういう意図で外壁材を選びました。光を取り入れるため多くの窓がランダムに並んでいます。

外から見た時には閉鎖的に見えるけれど、一旦中に入ると開放的になる、という内外反転した作りとすることで、住宅空間に安心感が生まれるような気がします。

外部のガルバリウム鋼板の縦ハゼ張りをよく見ると、ハゼを手で締め込んだ部分がうねっているのが見えます。職人さんの手の跡が残っていることで、鋼板という工業製品でありながらも、どこか温かみのある表情となっています。

ガルバリウ縦ハゼ黒 ガルバリウ縦ハゼ黒 サイディング白

中野のコートハウス ホワイト塗装の効果

中野のコートハウス、内装の塗装工事が始まりました。今回は、壁・天井ともに真っ白く塗装します。白く塗られた内部空間には、光が拡散し、今まで以上に明るく感じるようになりました。また見切りも巾木もつけない納まりを採用したためか、更に空間が広がったような気もします。前回書いたように壁の角度が直角でないという視覚的な効果も働いているのでしょうか。勾配天井と相まって不思議なスケールの空間になっています。

ホワイト塗装 ホワイト塗装 ホワイト塗装

「レストランGUSTO」テナントスペース現況調査

イタリア料理店を新規オープンしたいとのオーナーシェフからの相談。めぼしい賃貸物件を見つけたので、正式に借りるかどうかを決める前に見て一度欲しいとのこと。という訳で早速、現地調査にいってきました。

目をつけているのは、松見坂に面した集合住宅の1階テナントスペース。前面道路には植栽が整備され、とても緑の多い落ち着いた立地です。2方向道路に面していることから、道路を走る車からの視認性がよいのがメリット。しかし、テナント平面は凹型をした変形プラン。真ん中の狭い通路を挟んで賃貸スペースが2分されています。クライアントもこれを見て、さすがに即決するのを躊躇したようです。果たしてこんな変形した平面でまともなお店が作れるのだろうか。。。

そこで私たちの出番となりました。正式に賃貸契約を決める前に本当に思い通りのお店が作れるのか、平面を見せてもらえないかと。誰だって迷います。実際に借りてみたものの要望通りにお店が作れないとなったら大変なことですから。現地を見てみると、確かに変形した平面は、店の配置にかなり制約を与えそうです。また、以前はお弁当屋さんが入っていたようで、床や壁の仕上げは倉庫のような殺風景さです。果たしてここに心地の良いお店なんてできるのだろうか?確かにそう思えなくもない雰囲気です。

まずは、現地の寸法をメジャーで測って、実測図を起こす所から始めます。排水口の位置やエアコンの位置や型番、電気容量など、漏れないようメモを記入しています。早速、事務所に戻ってスタディを開始します。

松見坂テナント現況 松見坂テナント現況 松見坂テナント現況

中野のコートハウス 内装下地工事

現在、内装下地工事が進行中です。具体的には、壁と天井に石膏ボードを貼付ける作業。2階の天井には、屋根勾配がそのまま内部空間として現れてきますので、斜め取り合い部分のボード加工にはちょっと手間がかかっています。
実はこの建物の平面、壁の交わる角度が直角ではないんです。所々で角度がつけてあり、目の錯覚で空間が広くみえたり、狭く見えたりするような仕掛けが盛り込んであります。ぱっと見ただけでは分からないのでしょうが、角の納まりをよく見てみると、分かります。これがどのような効果を生み出すのか、実際に作ってみなければ分かりません。初めての試みだけに、出来上がってくる空間が楽しみです。

壁下地 壁下地 壁下地

ブログはじめました

2006年4月15日
はじめました、ブログ。少しづつですが、日々思っていることを言葉にしていこうかと思います。果たして、更新が続いてゆくのか。。。

中野のコートハウス 回廊のような空間

外壁下地ボードの張り付け工事が進行中です。外壁が塞がれると少しづつ、内部の空間構成が見えてきます。中央に中庭を配置した平面は1階でロの字形、2階でコの字形となっています。部屋といっても各階とも、一筆書きのようにぐるっと繋がったワンルーム空間となっています。空間として繋がっていながらも、折れ曲がった先が見通すことができません。まるで回廊のように、奥へ奥へと移動するに従って視界が開ける、そんな構成になっています。

外壁下地工事 外壁下地工事

中野のコートハウス 光を取り込むための屋根形状

中野のコートハウスの現場へ。屋根には下地合板が貼られていました。中央の中庭に向かって勾配が下がっていく漏斗(ろうと)状の形状になっているのが分かるかと思います。このような勾配にしたのは太陽の光を出来る限り中庭へ取り込むため。設計で狙った通り、中庭を介して室内へ太陽の光が差し込んできています。南側ぎりぎりまで隣家が迫っているとは思えないほど明るい室内が実現できそうです。

屋根勾配 屋根勾配 屋根勾配