高断熱住宅(断熱等級6)の毎月の光熱費はいくらか?2023~2024年版

ダイニング夜景

新潟市に建つ高断熱住宅(断熱等級6)の1年間の光熱費を公開します。近年、高断熱住宅が作られる割合が多くなってきましたが、毎月の光熱費の実測データは個人情報のために公表されていることは多くありません。これから高断熱住宅を建てたいと思っている方のために、一年間でどのくらいの光熱費が掛かったかを公開します。こちらの住宅は自邸ですので、プライバシーを気にすることなく、そのまま公開しています。

今回の記事のデータは2023年7月~2024年6月までの一年間のデータです。
過去のデータは、以下で公開していますので参考にしてください。
2022年7月~2023年6月のデータは、こちら
2021年7月~2022年6月のデータは、こちら

電気を使用する建物の条件

電気・ガスを使用している建物「岩室の平屋」の条件は、以下の通りです。

立地エリア:新潟県新潟市(地域区分:5)
断熱性能:Ua値0.43(断熱等級6/heat20 G1相当)
冷暖房器具:エアコン×2台(床下冷暖房)換気:第3種(熱交換無し)
規模:木造平屋建て
延べ床面積:85.29㎡(25.80坪)
家族構成:夫婦2人
利用用途:住宅+事務所(ほぼ一日中家で仕事)
使用家電:照明器具(LED照明)、パソコン、スマホ、モニタ、冷暖房エアコン、冷蔵庫、換気扇等
(ふろ給湯と調理コンロはガス設備による)
電力供給会社:Looopでんき
エアコンの24時間稼働はせず、基本的にエアコン稼働は朝8時~夜20時まで

1年間の毎月の電気料金

1年間の電気使用量と電気料金(消費税込み) ※( )内はkW当たりの電気単価です。

2023年 7月電気使用量 65kWh/月 1,613円(24.81円/kW)
2023年 8月電気使用量166kWh/月 4,227円(25.46円/kW)
2023年 9月電気使用量232kWh/月 6,087円(26.23円/kW)
2023年10月電気使用量 89kWh/月 2,900円(32.58円/kW)
2023年11月電気使用量 62kWh/月 1,942円(31.32円/kW)
2023年12月電気使用量204kWh/月 6,279円(30.77円/kW)
2024年 1月電気使用量448kWh/月 12,850円(28.68円/kW)
2024年 2月電気使用量393kWh/月 10,553円(26.85円/kW)
2024年 3月電気使用量322kWh/月 8,845円(27.46円/kW)
2024年 4月電気使用量198kWh/月 5,744円(29.01円/kW)
2024年 5月電気使用量 69kWh/月 2,120円(30.72円/kW)
2024年 6月電気使用量 56kWh/月 1,850円(33.03円/kW)

1年間合計 電気使用量 2,304kWh/年 65,010円(平均28.21円/kW)

例年通り、暖房を使用する冬季12月~3月までの電気料金が割高となっています。続いて、冷房を使う8月~9月がやや高めとなっています。この建物が建つ新潟は、夏よりも冬の方が室内・外の気温差が大きいため、冬場の暖房に使う電気料が夏の冷房よりも高くなります。ちなみに、冷暖房を使わない時期の電気使用量は約60~70kWh/月、電気料金にしておよそ2,000円/月です。年間で平均してみると、65,010円/12か月=5,417円/月が月平均で掛かった電気料になります。こちらは2人暮らしでのデータですので、お子さんがいる家庭では、更に電気料金を割り増して計算しておく必要があります。

政府支援策「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、2023年1月~8月までは7円/kWの値引き、2023年9月~2024年5月までは3.5円/kWの値引き、2024年6月請求分は1.8円/kWの値引きがあるため、月ごとのkW当たりの電気単価にややばらつきがみられます。

電力料金の平均をこれまでの年と比べてみると(2021年)30.90円/kW→(2022年)39.42円/kW→(2023年)28.21円/kWとなります。政府支援があったことで、電力単価は今までよりも抑えられています。2024年7月請求分以降は、政府支援が打ち切りとなるので、今後、支払い電気料金が上がることが予想されます。

1年間の毎月のガス料金

2023年~2024年の1年間毎月のガス使用料は以下です。この住宅でガスを使用するのは、給湯器とキッチン調理(ガスコンロ)です。

2023年 7月ガス使用料 2,685円
2023年 8月ガス使用料 2,939円
2023年 9月ガス使用料 2,605円
2023年10月ガス使用料 2,964円
2023年11月ガス使用料 3,365円
2023年12月ガス使用料 3,231円
2024年 1月ガス使用料 4,562円
2024年 2月ガス使用料 4,850円
2024年 3月ガス使用料 4,581円
2024年 4月ガス使用料 4,535円
2024年 5月ガス使用料 3,720円
2024年 6月ガス使用料 3,697円

1年間ガス使用料合計 43,734円
月平均にすると、43,734円/12か月=3,644円

季節によってガスコンロの使用頻度が変わることはないため、お湯を沸かす給湯器の稼働状況によってガス料金が変動することが集計から読み取れます。外気温が高い7~10月は、水道水の温度が高く、お湯を沸かすのに必要なガス使用量が減ります。

(2021年)47,308円→(2022年)51,626円→(2023年)43,734円と、ここ3年間でもっとも安くなっています。2023年1月~2024年4月まで15円/㎥当たり、2024年5月は7.5円/㎥当たりの国の補助があったことが影響しているものと思われます。ただし、6月以降は、国の支援金が終了しますので、例年通りに戻ることが予想されます。

こちらのガス料金も、夫婦2人暮らしのデータですので、お子さんがいらっしゃる場合は、毎月の使用料を割り増して見込んでおく必要があります。

電気とガス料金を合わせた光熱費合計

オール電化の住宅と比較するため、電気とガスを合計した毎月の光熱費を集計してみます。
2023年 7月電気+ガス使用料 4,298円
2023年 8月電気+ガス使用料 7,166円
2023年 9月電気+ガス使用料 8,692円
2023年10月電気+ガス使用料 5,864円
2023年11月電気+ガス使用料 5,307円
2023年12月電気+ガス使用料 9,510円
2024年 1月電気+ガス使用料 17,412円
2024年 2月電気+ガス使用料 15,403円
2024年 3月電気+ガス使用料 13,426円
2024年 4月電気+ガス使用料 10,279円
2024年 5月電気+ガス使用料 5,840円
2024年 6月電気+ガス使用料 5,547円

1年間の電気+ガス使用料合計 108,744円
月平均にすると、108,744円/12か月=9,062円

集計をしたここ3年間の中で一番、安い料金に抑えられています。国による支援政策によって電気・ガス料金が抑えられたことによります。

その他にかかる毎月のインフラ料金

電気・ガスの他、生活していくために掛かる毎月のインフラ支払い料金には、水道料金、下水道使用料、インターネットなどの通信料金、携帯電話料金などがあります。参考までにどの程度掛かっているかというと、月平均で
水道+下水道使用料 2,600円/月
光インターネット通信 5,720円/月
携帯電話使用料 6,500円/月
となっています。3つを合わせると、14,820円/月。

ここまで計算した電気、ガス、水道、下水道、光通信、携帯電話を全て合計すると毎月23,882円が必要になります。この毎月のインフラ費用は、ローン返済を含まない金額ですので、もし家を建てる際にローンで借り入れした場合には、これとは別にローン返済費用が毎月掛かってきます。集計した数字を見ると光通信と携帯電話料金に占める割合が半分くらいと高いので、光熱費だけでなく、通信料を抑えることが毎月の支払いを抑えるポイントとなってきそうです。

毎月の生活費に、いくら掛かるのかは実際に公開されているケースは少ないため、こちらのデータを参考にして家作りを検討ください。断熱等級6の住宅でかかる光熱費ですので、それより断熱性能が低い住宅では、公開した毎月の費用よりも多めにかかることを見込んでおく必要があります。