カテゴリー: 建築設計

「上越高田の家」屋内の空間構成について

「上越高田の家」完成見学会を数日後に控え、工事は最終段階に入りました。カウンターやキッチンなどの家具が搬入され、床に貼られていた養生シートが剥がされ、いよいよ室内空間の全貌が現れました。

今回は、内部の空間構成に、スキップフロア、吹き抜け、斜め平面、勾配天井、回遊動線など、さまざまな手法をこれでもか!という位、ふんだんに取り入れています。場所を変える毎に、空間の見え方や雰囲気が異なり、歩き回ること自体が楽しい空間となっています。少し狭くて落ち着いた場、天井が高くて広々とした場、景色の良い場、ちょっとこもれる場、などなど、場ごとに雰囲気の異なる空間がそこかしこに点在しています。現場を訪れたお子さんは、室内をくるくると飽きることなく、楽しそうに動き回っていました。

また、大きなワンルーム空間でありながらも、互いに見える場所、見えない場所を意図的に作り出すことで、互いが意識せずとも、互いの気配を感じて生活ができるよう配慮しました。姿は見えなくとも、他の家族が何をしているのかが、それとなく分かる。そんな付かず離れずの距離感を実現しています。

内部空間構成
室内空間構成
内部空間構成
内部空間構成
内部空間構成

「上越高田の家」風景を切り取る窓

「上越高田の家」現場へ状況確認と今後の工程打合せにいってきました。ここ上越でも長い冬が終わり、桜が満開となりました。現場を訪れたのは、ちょうど上越高田城の桜が満開の時。建物の窓からは、ほんのりピンク色に花開いた華やかな桜色が目に入ってきます。

設計を進める際に意識したのは、窓の外から、お堀の景色や遠くの山々が望むこと、でした。敷地境界に対して、平行ではなくわざわざ建物の軸を振っているのは、この桜の樹々を望むためでもあるのです。ダイニング正面の窓には、お堀に掛かる赤い橋と桜並木、そして山の稜線。キッチンとワークスペースからは、お堀の水面や桜の樹々を望むことができます。

窓を採光や通風を採るためだけのものと考えるのではなく、風景を切り取るフレームとして考えること。フレームで周りの景色をマスキングすることで、その切り取られた部分だけに焦点が当たり、今まで以上に窓の外の景色を意識するようになる、そのような効果を積極的に活かして、窓の配置や大きさを設計しました。

桜が満開ということもあるのでしょうが、意図した通り、家の中どこにいても外の桜の風景が目に入ってきます。春の桜も良いですが、新緑の季節や蓮の花の季節など、一年を通して季節の移り変わりを楽しめそうです。

上越高田の桜
上越高田の桜
上越高田の桜
上越高田の桜

「松庵の家」桜を独り占めする屋上デッキ

「松庵の家」庭の桜が満開になったので見にきませんか?と、お施主さんからのお誘い。ご厚意に甘え、花見に伺ってきました。こちらの家のすぐ目の前には、家の高さよりも高い、立派な桜の樹が以前よりありました。この桜を見るため、家の中には、様々な仕掛けを設けています。

一番の仕掛けは何と言っても、屋根上に設けた物見デッキ。梯子を登り、屋根上へひょいと顔を出すと、、、目の前に満開の桜の花が広がります。通常ですと、桜の花は見上げて見るものです。このように目の前に桜の花を見るということは、そうそう無いでしょう。間近に見る桜は圧巻です。

建物の建つ地域は、住居専用地域で、高さ2階までしか建てられません。ですので、屋根の上に上がると、遠くまで視線が広がり、とても開放感があります。しかも、屋根の上に向けて窓を設けている家は少ないので、他の家からの視線も案外気になりません。ご主人は、たまに屋根の上に登ってぼーっとしたり、夜更けに望遠鏡を覗いて天体観測をしているそうです。なんとも贅沢な空間となっています。

こちらの敷地には、もともと多くの樹木が植えられていました。それらの樹木を避けるように、くねくねとした建物平面形状となっています。各部屋には、高さや幅、方位の異なる窓が設けられ、それぞれの窓の外には、異なる樹々の景色が見えるという趣向を加えています。当然、桜の花は、寝室からも、廊下からも、浴室からも、それぞれ異なる角度、異なる景色で望むことができるようになっています。家の中を移動すると、ここからも、そこからも、と様々な桜の表情を望むことができるのです。写真4枚目は、浴室の窓から望む桜の風景。優雅に桜を見ながら入る風呂とは。なんとも最高ですね。

花見の後には、夕食までごちそうになりまして。自分の設計した家で、お施主さんの手料理をご馳走になるなんて、設計者冥利につきます。本当にありがとうございました。

屋根上デッキ
屋根上デッキ
屋根上デッキ
浴室からの桜

「上越高田の家」天井勾配による空間の変化

「上越高田の家」天井仕上げ工事が進んでいます。今回、天井仕上げに選んだのは、ウェスタンレッドシダーです。赤みと白みのコントラストが強い、独特の表情を持つ材です。ランダムな木の風合いが木の温かみを感じさせてくれます。

ウェスタンレッドシダーを勾配天井に貼ったことで、より天井の勾配が強調されたようです。今回の建物は、棟ごとに異なる天井勾配を設けています。ダイニング部分は天井勾配を強くして、メリハリの効いたシャープな空間に。リビング部分は緩やかな天井勾配として、ゆったりと落ち着いた空間に。天井の勾配ひとつ変えるだけでも、空間の雰囲気は随分と異なります。

ウェスタンレッドシダー仕上げ
ウェスタンレッドシダー仕上げ
ウェスタンレッドシダー仕上げ

「新潟青山のコートハウス」施工図チェック

「新潟青山のコートハウス」建て方に先立ち、現場から届いたプレカット図のチェック中です。

最近は現場からの連絡は9割強、メールで届きます。メールで届いたPDF図面をプリントして、施工図面に赤ペンチェック。チェックした施工図面をPDFスキャンして、メールでデータ送信。メールのやり取りだとキチンと記録が残り、後で連絡来てないとか、聞いてない、などをいったトラブルを回避できるのが、大きなメリットです。

また、同時に関係者一同にメールを送れるので、現場での変更経緯ややり取りの流れを把握することができ、とても便利。お施主さんはもとより、現場の職人さんも、スマートフォンを使いこなしている方が多く、メッセージや画像のやり取りなど、とても効率よく、密にコミュニケーションができるようになってきました。今後、建築の現場は、更にデジタル化・ネットワーク化し、設計方法や現場監理方法も大きく変わっていくのでしょうね。

今後、建築業界が、どんな変化を遂げていくのか、とても楽しみです。

プレカット図
プレカット図

「千葉花園町の平屋」現場納まり検討スケッチ

「千葉花園町の平屋」建て方の後、しばらく天候も良く、現場は順調に進んでいるようです。現場は、外壁下地工事、屋根工事に続いて、サッシ工事へと進行していきます。現場からは、既に次の段階の質疑事項が送られてきています。現場にとって、先を読んで先手を打っていくことは、現場をスムーズに進めていくための必須事項です。

現場は外装の下地を作っている真っただ中ですが、内装の納まりについて、どうやって納めようかと現場監督から問い合わせ。図面の上ではなるべく全ての事項を盛り込もうと描いているのですが、現場では納まらない箇所が出てきます。チャレンジングな納まりを採用する時などは特に。図面は2次元の情報ですが、現実は当然、3次元で現れてきます。3次元で考えた時に、納まらない、又は、施工が困難、という箇所が稀に出てくるのです。

そんな難しい納まりをせずに、無難に納めればいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、そのちょっとした美しい納まりの積み重ねが美しい空間を作り上げていく要素だと考えれば、その一つ一つをおろそかにすることは出来ません。ちょっとしたことでも、積み重ねていくことで、その空間は美しく気持ちよい場にもなりますが、また逆に、醜く居心地の悪い場にもなってしまいます。

図面だけで伝えにくい箇所は、スケッチや写真などを用意して、施工者へ意思を伝えていきます。図面よりも、その方が意思を伝え易いことが多いので。手書きスケッチを写真に撮って、メールで送信。

納まり検討スケッチ
納まり検討スケッチ

標準化住宅プロジェクト「ベーシックハウス」プレカット図チェック

標準化住宅プロジェクト「ベーシックハウス」、いよいよ工事が始まります。工務店から届いたプレカット施工図を設計図と照らし合わせて、チェックしています。プレカット施工図というのは、柱、梁などをどのように組むか、部材寸法や金物位置などを含めて、表記してある施工図面です。

構造耐力的に不具合は無いか、また、デザイン的にも問題になる箇所はないか、入念にチェックしていきます。梁組みが仕上げで隠れるのであれば、梁組みをあまり気にすることはないのですが、ベーシックハウスは2階の床組みがそのまま1階の天井仕上げとして現れてくるので、チェックをおろそかには出来ません。

プレカット業者さんと何度もやり取りしながら、最終的なプレカット図へと近づけていきます。いよいよ来月、工事がスタートします。それまでに、確認申請の審査やローンの借り入れ審査、工事契約など、工事着工に向けてやらなければいけないことが、まだまだ山積みです。

プレカット図チェック
プレカット図チェック
プレカット図チェック

「千葉花園町の平屋」施工打合せ

「千葉花園町の平屋」基礎配筋検査の後は、場所を移して現場監督さんと施工打合せ。設計者は、設計図面だけ描いて現場に渡せば終わり、という訳にはいきません。図面に描いてない細かな納まりや設備や構造などの検討事項を現場監督と打合せして決めていく必要があります。

使用する構造金物の選定やレンジフードのダクトを通すルート、軒先の防水納まりなど、仕上がってしまえば隠れてしまう部分も、今後のメンテナンスや建物の耐久性などに大きく関わってくる箇所ですので、疎かには出来ません。どのような納まりにするのがベターか、施工側の意見を聞きつつ、決定をしていきます。

まだ基礎を作っている段階でそんな先の細かい納まりの話までするのか、と思われるかもしれませんが、発注段取りなどを考えれば、施工に先立って納まりを決めていくことが肝心。作り始めてからここが違う、こうしてくれと現場へ伝えるようでは、現場はスムーズに進みませんから。

施工打合せメモ 施工打合せメモ

標準化住宅プロジェクト「ベーシックハウス」スタディ模型作製

標準化住宅プロジェクト「ベーシックハウス」のスタディ模型を作成中です。標準化された4間×4間平面の単純な間取りの組み合わせといえど、組み合わせ方次第で無限の平面ヴァリエーションが生まれてきます。平面の組み合わせ方に加えて、窓の配置も加えれば、様々な室内空間を実現することが可能となります。

様々なヴァリエーションが可能といっても、建物は周辺の環境と無関係に建ち上がる訳ではありません。方位、道路接道、隣地の建ち方、風の抜け、視線の抜け、その人の暮らし方など、様々な条件を読み込んでいくことで、必然的に間取りが決まっていきます。設計というものは、実際に敷地を見て、お住まいになる方と話しをして、方向性を見極め、平面という形に集約させていく作業です。

ある程度、方向がま決まった時点で、模型を作製していきます。模型を作りながら、空間構成に不具合がないか、更に良い間取りはないか、と考えを巡らしつつ。

スタディ模型作製001
スタディ模型作製
スタディ模型作製

「上越高田の家」再びスタディ模型作製

「上越高田の家」新たな平面案がまとまってきたので、再びスタディ模型を作成中です。平面図だけでは、実際にどのような室内空間が立ち現れてくるのか、簡単にはイメージできないかと思います。特に平面に角度がついていたり、天井に勾配がついていたりと、複雑な構成の平面の場合、設計を仕事にしている私たちでも容易にその空間をイメージすることはできません。

そこで、スタディ模型が登場します。スタディ模型というのは、ボードを切り出し、接着材で貼り合わせて作った100分の1程度の小さな模型のことです。模型の中も覗けるよう、テーブルや椅子、キッチンカウンターなども、場合によっては作り込んでいきます。模型の中を覗けば、小さな小人になったように、その空間を疑似的に見ることができます。

スタディ模型作成
スタディ模型作成
スタディ模型作成

「上越高田の家」平面プラン検討

「上越高田の家」現在、平面の検討を進めています。ある程度の平面の方向は決まったのですが、かといって、すんなり設計作業が進んで行くわけではありません。施主さんと打合せを重ね、より良い案となるよう、更に平面の検討を進めています。

出来上がった平面をたたき台に、施主さんへ生活スタイルや好みをヒアリングしていくと、その案よりも、更に良い案が浮かんできます。時には平面を少し前に戻したり、全く異なる平面を検討したりと、いきつもどりつ設計作業は進んでいきます。検討を重ねれば重ねるほど、案に磨きがかかり、しっくりとくるといった感じです。 といはいえ、どこかで検討を切り上げなければなりません。着工までの時間を見据え、設計作業も、そろそろ最終段階へと進んできます。

平面スタディ
平面スタディ

「上越高田の家」平面スタディ

「上越高田の家」施主さんとの打合せ内容を元に、平面案を練り直しています。一つの案だけでは、その案が本当に、施主さんの生活イメージに合った空間となっているかは分かりません。そこで前回の提案とは異なる方向性で改めて平面案をスタディしています。

前回の案で良かった部分を活かし、更に施主さんの要望も盛り込み、新たな案を練っていきます。敷地図の上にトレーシングペーパー(半透明の紙)を重ね、ペンで書き込み、考え、消し込み、更に書き加え、考えと、何度も何度も納得いく案が出てくるまで、根気よくペンを走らせます。

ペンを走らせていくとある時に、あっという面白い案に辿り着きます。アイディアスタディする際は、手をひたすら動かす思考方法が、私には合っています。

平面スタディ
平面スタディ