合板価格と流通量の見通しを新潟市の合板製造メーカーに聞いてきた

合板の流通量の減少と価格の高騰

合板べニア製造工場

今年2022年2月、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始めたことにより、ロシアからの木材輸入が停止し、合板材料入手が困難となり、春ごろから市場で合板在庫が品薄状態となっていました。また合板価格も高騰し、1年前年には合板一枚1,250円/枚程度だったものが、2022年7月の時点で2,250円/枚と価格が約1.8倍となっています。この状況を、巷では「合板ショック」と呼ぶそうです。

合板は屋根、壁、床などの各部下地に使われている材料で、今や合板なくしては建物を建てることができない、というくらい重要な建材です。その合板が手に入りにくいとなると、今後の建設業界だけでなく、これから家を建てたいという人にとっても大きなダメージとなります。

ちょうど縁あって、新潟市東区にある合板製造メーカー「新潟合板振興株式会社」の工場見学の機会を得ましたので、今後の合板の流通量と価格の見通しについて話を伺ってきました。合板製造メーカー「新潟合板振興株式会社」は、昭和37年設立、創業60年の会社です。実は私、新潟で設計をしていながら、新潟市の合板工場があることを今まで知りませんでした。いかんせん、勉強不足でした。

今後の合板流通量の見通しは?

杉丸太原材料

合板原材料であるロシア産の輸入丸太は大幅に減少したものの、現在、材料丸太を新潟県産杉丸太へ切り替えており、現時点で6割程度が新潟県産材となり、材料確保は既に見通しが立っているとのことでした。写真のように工場内の材料置き場には、既にうず高く杉丸太が積まれており、順次、合板の製造を進めているので、今現在、市場には在庫量は少ないかもしれないが、供給量は増えていくので心配はないとのことでした。

近年、輸入材の価格が安く、国内の杉の立ち木を伐採しても、採算が合わないため伐採が進まず、山が荒れているという話をよく耳にしていました。輸入木材の価格が上がったことで、ようやく国内の木材の伐採にも採算の目途が立ってきたようで、地域材活用が進んで、地元にお金が落ちることは歓迎すべきことです。いままでは国内で林業をやってもお金にならないと言われてきましたが、急速に状況は変わっていくかもしれません。

今後の合板の価格の見通しは?

丸太材カツラ剥き作業

材料丸太の仕入れ価格は落ち着いてきたものの、以前のような金額まで落ちる見込みはないようです。製造の過程では、製造機械を動かすため多くの電気を使用しますが、その電気料金がここ一年で1.5倍に上がったこと、接着剤の価格が上がったこと、ガソリン代が上がり輸送費が増えていることなど、製造コストの値上がり状況を鑑みると、現在の合板価格が下がることは難しいようです。今度、燃料価格が更に上がれば、それに比例して合板価格もまだ上がる見込みのようです。

かく言う私も、現在の価格高騰が一時的なものだろうと価格が下がるまで様子を見ていましたが、今回の上昇は一時的なものではないようです。また、燃料価格が上がることは、世の中の流れから考えれば必然です。とすれば今後、建材全般の価格が上がる事は逃れられない宿命なのかもしれません。

建材を無駄にしない、できる限り効率よく使うことが、これからの設計業界に求めらる大きな課題でしょう。