建材の値上がりに対処するために

柱梁材チェック

ユニベールハウス岩室は現在、工務店から出てきた見積もり金額の調整中です。昨年から続いている木材不足(ウッドショック)による影響で、国内の柱梁材の価格が大幅に上昇しています。また、ロシアのウクライナ侵攻、原油価格の上昇に伴い、木材だけでなく、構造用合板や鉄筋、コンクリートなど他の建材も軒並み値上がり傾向が続いています。

ここ2年で、住宅の建設費は2割程度、一気に上昇しました。建築自体が高い買い物なので、2割の価格上昇は、家づくりをする人にとって影響が非常に大きい。2年前の2020年時点で2000万円で手に入った住宅を今作ろうとすると、2022年現在は、2400万円。なんと400万円も割高になってしまいます。

建材の値上がりに対処するために

単純に以前と同じように建材を使っていたのでは、そのまま工事費の上昇につながってしまいます。梁材寸法を最小限に抑える、構造部材点数を最小限に抑えるなど、詳細に構造検証を行って工事費の調整を図っています。

ただ建物の耐震強度を落として価格を抑える安易な方法は採りたくありません。梁材を一本一本、構造解析し、無駄な贅肉をそぎ落とし、耐震性を保ちながらシェイプアップ作業を行っています。

施工性を考慮して、工法についても見直しを行っていきます。材料費だけでなく、大工さんの人件費がどれだけ掛かるかで、建物の工事費は変動します。より施工性の高い工法を採用し、工事日数を抑える方法も同時に検討しています。

建築工事費を抑える最も安易な方法は、建物の性能を下げ、できるだけ安い材料を使うことです。が、私はそんな建物は作りたくありませんし、自分で住みたくありません。工夫とアイディアで、性能も、居心地も削ることなく、実現できないか、、、、まさに設計者が腕をにみせる時ではないでしょうか。

製作図チェック

チームで作る

ただ詳細に構造計算して部材を決めても、材料が手に入らなければ意味がありません。設計を進めていくと同時に、施工会社や建材メーカーと密に連絡をとり、問屋さんに材料の在庫があるか、単価はいくらかなどを確認しつつ、材料を選定していく必要があります。

建材がいつでも、安く、簡単に手はいった以前であれば、設計は設計、施工者は施工者、問屋は問屋、メーカーはメーカーと、別々にそれぞれの業務をこなしていれば良かったかもしれませんが、これだけ建材が品薄になり、価格が上昇してくると、設計-現場-問屋-建材メーカーと、互いの連携を密にしなければ、建物の完成にはたどり着けません。(建設費を抑えたい場合は、特に。)

設計者だけが仕様を決めるのでなく、建設に関わる人達みんなが互いの仕事の領域を超えて互いにコミュニケーションをとり、チームとなって動くことでしか実現が難しくなっています。

工事費、耐震性能、断熱性能、デザイン、と設計者が決めなければいけないことは多岐に渡ります。設計者が、単純にかっこいいデザインだけを提供していればよかった時代は、すでに遠い昔のことです。他者・他業種と密にコミュニケーションを取り、互いを尊重し、協力していくことができる、そんな設計者しか生き残っていけないのかもしれません。

プレカット工場打合せ