「岩室の平屋」例年よりも梅雨が長引き、地面の雨水がなかなか引かず、基礎工事が始まる時期が後ろにずれ込んでいました。基礎屋さんの話では、長い雨の後は地面がぬかるんで、うまく土を掘れないそうです。という事で、梅雨明けを待って、掘削工事がスタートしました。
地盤調査のデータを細かに検証して、今回は地盤改良をしないことにしたのですが、沈下量を最小限を抑えるため、布基礎の幅を450mmから600mmに拡張しました。参考までに地盤面に掛かる荷重を計算してみると。建物の全重量は計算から、337kN(=34,362kg=34.36t)
幅450mmの場合:基礎底面の面積0.45×65.52m=29.48㎡ よって、11.43kN/㎡(=1,165kg/㎡)
幅600mmの場合:基礎底面の面積0.60×65.52m=39.32㎡ よって、8.58kN/㎡(=874kg/㎡)
となります。幅を拡張したことで、地盤面に掛かる荷重が約25%低減されます。
掘削した地盤面の上に実際に立ってみると、沈むこともなく、安定していることが確認できました。また長い雨の後の割に、水はけが良く、土は比較的ドライな状態でした。私の体重が約75キロとして、足裏の面積は、27センチ×15センチ=0.045㎡。ということは、、、1㎡に換算して、1,650kg/㎡。これだけの重さが地面の上に載って、沈まないという事が実際に確認できたという事になります。地盤調査では、軟弱地盤であるという結果がでましたが、現実の状況を見る限り問題ない範囲と考えられます。計算では、建物の荷重は、私の体重と比べれば、約半分程度ですので、まず大丈夫でしょう。基礎下に掛かる荷重が低減したことで、沈下量も同時に低減されるはずです。
事務所の中で、ただデータを見て判断するのではなく、実際に自分の目で土質を見て、地盤面の状態を感じとって判断することが大切です。とは言え、時間と共に土から水が抜け、圧密沈下する可能性が高いという計算結果が出ていますので、一時的な変化だけでなく、長期的な経過を見ていかなければいけませんが。