西沢立衛設計 軽井沢千住博美術館を訪れて

秋の深まる軽井沢へ。
昨年オープンした軽井沢千住博美術館へと向かう。
美術館周囲に植えられた木々は、赤や黄に色づき始め、
美術館の外観をひっそりと隠している。
建物の外壁面はすべて透明ガラス張りとなっており、
現在は半透明のカーテンで閉じられているものの、
そのカーテンが開けられた姿を想像すると、
その空間の素晴らしさに驚きを感じる。
この美術館を設計するにあたり、千住博氏は設計者の西沢氏に
「ぶっとんだ美術館にしてほしい」と要望したそうだ。
ぶっとんだ日本画家、千住氏らしい話だ。
隆起ある敷地の高低差をそのまま床レベルとして設定してあり、
美術館の中を歩いていると、まるで森の中をあるいているような気分。
ことろどころで立ち止まり、中庭の木々を見たり、
空を眺めたり、また千住氏の絵を見るという趣向だ。
絵と中庭の樹が等価に置かれているところが面白い。
ここは、千住氏の絵の美術館であると同時に、木の美術館でもある。

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