自然素材で仕上げた建売住宅

自然素材内装

「ユニベールハウス岩室」工事もいよいよ最終段階、内装工事が進行中です。こちらの住宅は、注文住宅ではなく、建売住宅(分譲住宅)ですが、内装仕上げにビニールクロスや積層フローリングを使わず、できる限り自然素材を採用するよう心がけました。分譲住宅では、販売価格を下げることが第一に求められることが多いのですが、今回の建物では、コストよりも居心地の良さを優先し、自然素材を随所に取り入れています。

壁仕上げは、しっくい塗装とし、床仕上げは、杉の無垢フローリング+蜜蝋ワックス仕上げとしました。どちらの仕上げ材もざらっとした温かみのある表情が特徴で、工業製品建材では出せない、落ち着いた室内の雰囲気を作りだします。杉の無垢フローリングは、足触りが非常によく、つい靴下を脱いで裸足で歩きたくなってしまいます。

杉無垢フローリング材

写真では床を貼ったばかりですので、まだ杉らしい、明るい色目ですが、何年も使い込んでいくいくうちに次第に色が濃い茶色へと変化し、経年変化を愉しむこともできます。使い込んでいくうちに、汚れていくのではなく、味わいが出てくることも、自然素材を使う利点です。

自然素材を使う良さは、見た目の質感だけではありません。建物が完成した際に、揮発性のいやな匂いがしないことも大きな理由です。いやな匂いどころか、家の中に入った瞬間、木の良い香りがします。家の中にいながら、まるで森林浴をしているような気分になれます。(今回は大半の床を杉板フローリングとしたので、仕上げ面積で80㎡程度のかなり広い仕上げ面が香りを発する杉板張りとなっています)

木の家に住んでいると、次第にその木の香りに慣れ、気がつかなくなっていくのですが、たまに訪れるお客さんにとっては、その香りが良くわかるようで、良い香りがしますね、と言われることがあります。芳香剤と異なり、その香りは何年経っても消えません。

内装仕上げ

しっくい塗料の壁も、杉床も、合板張りの天井も、すべての仕上げ材が調湿性のある材料ですので、湿気のある時には湿気を吸い、乾燥している時には湿気を放出するという、調湿機能にも期待しています。夏冬ともエアコンで空調する期間が長い新潟の気候を考えれば、調湿性素材を仕上げに使うことは非常に理にかなっています。

外壁杉板張り

こちらの住宅は、室内だけでなく、外装にも自然素材の杉板張りをポイントとして使っています。上の写真のように、玄関周りの壁に杉板を張ることで、自然素材が温かく迎えてくれるような表情が作りだせます。全面張りでなくとも一部だけでもポイントを設けて、仕上げを変えることで、建物の表情はがらっと変わります。

外壁を全面杉板張りとするには、コストが厳しく、かつ、メンテナンスが手間だと考えている場合、このようなポイント張りはおススメです。