「上越滝寺の店舗併用住宅」模型作成

「上越滝寺の店舗併用住宅」空間構成検討のため、模型を作成中です。建築模型を作るには、既にできているパーツを購入して組み立てていく訳ではなく、ボードや材木などをカッターで切り出して、折り曲げ、ボンドで張り付け、地道にパーツから一つ一つ手作り出していく必要があります。床、壁、天井、屋根を作り、更に、内部の家具を作り、、、と作製作業は多岐に渡ります。

最近は、簡単にモニタ上で3Dが再現できるソフトもあるのですが、個人的にはやはり手を動かしながら、模型を作るという事が性に合っています。なぜなら模型を作りながら、ここはもう少し天井を下げようか、ここには棚をつけようか、窓の高さを変えようか、などと想像を働かせて、同時に検討も進めていくという方法をとっているからです。作りながら考える、という風に言えば、伝わりやすいのかもしれません。(模型は、完成品ではなく、思考途中を捉えるため、考えるための道具、という位置づけです。)

簡単にヴァーチャルな3次元が実現できる時代に、なぜこんな回りくどい方法をしているのかというと、やはり、それはモニタ上では感じられない空間の質を確認するためかと思います。(実際には模型も現実ではなく、あくまでヴァーチャルではあるのですが。)考えながら作ったその模型の中には、リアルな空間の質が宿っているように感じます。その空間の質を、よりリアルに確認するために、実際に模型に太陽光を当てて室内の明るさを見たり、仕上げの質感を確認したり、頭を突っ込むようにして模型の中を覗いてみたり、腕を組んで考えてみたり、と。ほかの人が見たら、あの人、一体何やってるんだろ?というような異様な行動を設計者は、とったりしています。

スタディ模型作成
スタディ模型作成
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