アントニン・レーモンド設計「軽井沢聖パウロカトリック教会」を訪れて

軽井沢聖パウロカトリック教会01

アントニン・レーモンド設計「軽井沢聖パウロカトリック教会」を訪れて

こちらの建物は、旧軽井沢銀座から一本裏の通りに面して建っています。アントニン・レーモンドが設計した教会を訪れるのは、新潟県の新発田カトリック教会、北海道の札幌聖ミカエル教会に続いて3つ目。3つの建物とも、三角屋根、尖塔、玄関ポーチ水平庇が共通した外観上の特徴となっています。

扉を開け、内部へと入ると正面に祭壇が見えます。祭壇バックには丸形や三角形の和紙の張られたガラス窓が配置されています。通常であれば、色とりどりのステンドガラスを設けるところ、様々な形にカットした和紙を貼ったガラスを設けることで、日本的な印象が醸し出されています。

軽井沢聖パウロカトリック教会天井

上を見上げると、手斧(ちょうな)で仕上げた丸太組みの屋根構造部材がそのまま表れています。力強く、荒々しい空間。その力強さは、丸太材や打ち放しコンクリート、素焼きレンガなど、使用する素材を加工しすぎず、そのままの状態で使うことから、表れているのでしょう。レーモンドの設計した教会には、繊細さというより、力強さを感じるものが多いような気がします。

しかし、丸太のような素材感の強い材料は一歩使い方を間違えれば、素材に空間が負けてしまい、ログハウスのような素朴な表現にとどまってしまう可能性が高い。丸太組みの天井、柱も丸太、ベンチも丸太組み、と丸太材を多用しているにも関わらず、モダンさを保っているレーモンドのバランス感覚に脱帽しました。

軽井沢聖パウロカトリック教会

One comment on “アントニン・レーモンド設計「軽井沢聖パウロカトリック教会」を訪れて”

Comments are closed.