女川原子力発電所を訪れて

牡鹿半島の海岸沿い走り、女川原子力発電所へと向かう。
ここ女川は、津波の被害を受けた被災地でもあり、
いつもの原子力発電所を巡る感覚とは、少し異なる。

原子力発電と津波災害は本来、分けて考えるべき事象だと自分は考えている。
3・11の津波により、福島原子力発電所が被害を受けたことにより、
原子力発電=津波=危険、という議論に陥ってしまいがちだが、
原子力による発電という事象と、大津波という事象というものは、
本来、別のカテゴリーのものごとであり、別々に議論を進めていくべきものだと思う。
単純に原子力発電についてだけ考えるのであれば、
原子力発電を停止することで起こるかもしれない電力不足に対する経済不安と
原子力発電を運転することで起こるかもしれない放射能汚染などの災害リスク。
この両方を天秤にかけて、本当にどちらが恐ろしいことなのか、
一人一人がちゃんと考えて答えを出してみればよいのだ。

福島第1原子力発電所は津波の被害を受け、
ここ、女川原子力発電所は幸いにも、津波の被害を免れている。
いったい、この差はなんなのだろうか。
津波に関する限り、単純に海抜、つまり、高さが重要なのだと思う。
実際に女川原子力発電所を見てみると、素人の私でさえ、
高さ15mの津波には到底対抗できるような高さに建っているとは思えない。
この地震国日本にありながら、
また今後、数百年内に再び予想される大津波に対し、
原子力発電所の災害対策は万全だと、果たして言い切れるのだろうか。

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