シカゴグリーンラインに乗り、シカゴ大学へと向かう。
シカゴ市内からは約30分。
まず訪れたのは、エーロ・サーリネン設計のシカゴ大学法学部図書館。
サーリネンといえば、先日訪れた
TWAターミナルの有機的な曲線がまず頭に思い浮かぶ。
しかし今回の建物は、ガラスに覆われたシャープな表情の建物。
TWAターミナルが、女性的だとすれば、こちらは男性的。
柔らかな曲線美に対して、硬質で鋭敏。とても対照的だ。
同じ設計者が同じ時期に、こうも異なるデザインを残すということが非常に面白い。
周辺環境や設計条件によって、違うルートをとれば、
このような多様な回答が生み出されてくるということなのだろう。
伝統的なゴシック様式の建物が立ち並ぶキャンパス内に
突如現れるガラスのキューブ。モニュメントのように強い存在感だ。
まるで垂直線を強調しているかのような、ガラスの方立が特徴的。
周辺の古典的なゴシック建築に敬意を表し
ゴシック的な上昇感を表現したのだろうか。
1960年時代に思い描いた未来の建築。
その新しさの中に、ゴシック的な懐かしい香りが漂う。
この何とも言えないバランス感覚。秀逸だ。