「中野のコートハウス」アトリエスペースの明るさについて

中野のコートハウスのギャラリー兼アトリエスペース。こちらの部屋へは玄関を通らず、全面道路に設けた掃き出し窓から直接アクセスすることができるようになっています。通りを歩く人が、アトリエでの制作する風景が覗いたり、窓際に展示した作品を手に取ってみたりと、様々な行為が生まれてくることを期待しています。(夜間には閉じることのできる引戸扉が外部に設けられています。)

ギャラリー(アトリエ)スペースに直接光を入れてしまうと、作品が痛んでしまう、キャンバス面が明る過ぎて絵が書きにくいなどの問題が起こってしまいます。かといって、出来る限り自然光で確認しながら作品を仕上げたいという要求もあるため、全く光を入れないということも出来ません。そこで、ギャラリー(アトリエ)スペースには北側上部に大きな窓を設けるという方法を取りました。北窓であれば直接光が差し込むこともありませんし、実は曇った日でも空の拡散光で安定した明るさを得られるという利点があります。

こちらの家のギャラリー(兼アトリエ)スペースは、半地下にあり、かつ、最も陽が入りにくい位置にあります。そこで中庭の外壁にバウンドさせ、外の明るさが柔らかく室内に差し込んでくるような計画しました。また室内の天井、壁、床とも白く塗ったことで、室内全体に光が回り込み、作品制作の場として程よい明るさを実現することができました。

アトリエの明るさ アトリエの明るさ アトリエの明るさ