カテゴリー: 雑誌掲載

設計協力物件が「近代建築2021年6月号」に掲載されました

ここ数年、当事務所が設計協力を行ってきた「ハイアットリージェンシー横浜」が近代建築6月号に掲載されました。2021年6月15日発売で書店に並びますので、ぜひお手にとってご覧ください。

ハイアットリージェンシー横浜」掲載ページ

建築主:株式会社ケン・コーポレーション
設計・監理:国建
構造設計:江尻建築構造設計事務所
設備設計:森村設計
インテリアデザイン:イリア
設計協力:金子勉建築設計事務所

と、錚々たるプロジェクトメンバーの中、当事務所もプロジェクトに設計協力者として参加させていただきました。プロジェクトが始まってから完成するまで約4年、思い返せば色々とありましたが、メンバー一丸となり、なんとか完成までたどり着くことが出来ました。

設計メンバーには、大学時代の先輩にあたる意匠設計担当の国建・有銘氏と江尻構造設計の江尻氏が参加しています。(本プロジェクトへ誘っていただいたのは、ほかでもない有銘氏です。)お二人は、私が設計事務所を始めた当初のプロジェクト「南青山キリン」でお世話になった、顔なじみのメンバー。南青山キリンは2001年竣工ですので、最初に会った頃から20年の月日が経ったことになります。あの頃は私もまだ駆け出しで、まさか20年後にここまで大きなプロジェクトを同じ顔ぶれで進めるとは、夢にも思っていませんでした。

私のようなアトリエ設計事務所では、住宅や店舗内装などの比較的小規模な設計事案が大半ですので、高層ホテルとなると、いつも手掛けている規模の数百倍の床面積になります。私自身、ここまで大きな規模の物件を経験したことは無かったのですが、普段手掛けている物件と同様、目の前にある事を一つ一つ確実にこなしていくことで、普段通りの設計スタンスと変わらず、前向きに設計に取り組めたのではないかと思っています。この経験を活かし、今後も更に設計技術を磨いていきたいと思っています。

「蓮野の平屋」が「住まいネット新潟VOL.30」に掲載されました

9月30日発売の「住まいネット新潟VOL.30」に「蓮野の平屋」が掲載されています。「10年後の住まい」と題し、取材後10年以上たった家を再度訪れ、どのような暮らしをしているか、どのように暮らしが変化しているのかを再び取材・撮影した特集。

「蓮野の平屋」は2008年竣工。今年が2020年ですので、竣工から約12年経ったことになります。建築の設計は、最初の相談から家が出来あがるまで丸1年以上の時間がかかります。設計に集中して取りかかっていると、あっという間に月日は経ち、気がつけば12年もの月日が経っていたようです。まるで浦島太郎です。

7年ぶりの取材(掲載時の取材は2013年ですので)に立ち合い、当時の思い出を施主さん家族と話していると、その時考えていたことやその当時の自分の気持ちを思い出してきました。「空間の中にどんなモノが置かれても、空間内でどんな暮らしをしたとしても、ぶれない強度のある空間を作ること」その当時考えていたのは、包容力のある空間を作ることでした。ちょっと雰囲気の異なるものを置いただけで、ぶれてしまう繊細な空間でなく、どんなものでも受け入れてしまう包容力のある、骨太の空間。

出来上がった紙面を見ると、少し感じは異なるものの、竣工当時の空間の雰囲気そのまま、何も変わってないように感じられます。少しは自分にも包容力のある空間を作れたのだとすれば、うれしいのですが。ぜひ紙面を手にとって見比べてみてください。

リビング風景。窓の外。隣地の竹林を借景として取り込んでいます。高さが抑えられたハンス・ウェグナーのソファーとテーブルが置かれ、重心の低い落ち着いた空間となっています。ペンダント照明の明るさが抑え目なのも、落ち着き感に貢献しています。和とモダンデザインが融合した、家具インテリアは、お住まいの方が自分で選んだもの。さすが、センスあります。

リビングと連続するデッキテラス。リビング床とデッキ床レベルを揃えることで外部への連続性が生まれ、部屋の広さの割に広がりを感じる空間となっています。竣工当時と比べるとフローリングの色は、だいぶ飴色に変化しています。竹林の葉を透過した陽の光がちらちらと揺れながら室内に差し込んできます。

ダイニングテーブル横のスペースは、子供たちが作った作品の展示エリアに。造り付けの収納カウンターは、ダイニングテーブルと高さを揃え、モノが直ぐに手に取れるように。写真や習字、ピアノなど何でも並べて、にぎやかな雰囲気に。壁付けスポットライトをベース照明として使い、ポイントとなる個所にはペンダント照明を吊るし、空間に明暗を作り出すことを意識して照明計画しています。

竹林に面した側には昔ながらの縁側を設けて、ちょっと懐かしい空間に。右手の窓の外には雑木林、左手の障子戸の奥は畳スペース。縁側に腰掛けてぼーっとするのも良し、畳にごろんと寝転ぶのも良し。畳に腰掛けて外を見たときの視線を重視して、あえて天井高さは低めにしています。屋根を支える構造部材の垂木(たるき)は、そのまま表しに。規則正しく連続する垂木が空間にリズムを与えています。

縁側を外から見る。窓の外には雑木林が広がっています。この立地の敷地を探すために、施主さんはずいぶんと土地探しをしたそうです。確かにこんな条件の土地は、そうそう見つかりませんよね。隣地が雑木林という敷地の特徴を最大限生かすため、設計時には、窓の配置や建物の配置を何度も検討しました。

廊下コーナーの展示スペース。壁から分厚い木の棚板を飛び出させ、スポットライトを当てています。明るい場所だけでなく、暗い場所も意識的につくり、明暗の変化がある空間としました。明・暗だけでなく、天井の低い場所・高い場所、開放的な場所・閉鎖的な場所、と場所ごとに空間の質を変えることで、小さいながらも変化に富んだ家となってます。

取材時に撮らせてもらった写真を解説と共に載せてみました。雑誌の掲載記事と見比べながら、お楽しみください。