「上越高田の家」現場へ状況確認と今後の工程打合せにいってきました。ここ上越でも長い冬が終わり、桜が満開となりました。現場を訪れたのは、ちょうど上越高田城の桜が満開の時。建物の窓からは、ほんのりピンク色に花開いた華やかな桜色が目に入ってきます。
設計を進める際に意識したのは、窓の外から、お堀の景色や遠くの山々が望むこと、でした。敷地境界に対して、平行ではなくわざわざ建物の軸を振っているのは、この桜の樹々を望むためでもあるのです。ダイニング正面の窓には、お堀に掛かる赤い橋と桜並木、そして山の稜線。キッチンとワークスペースからは、お堀の水面や桜の樹々を望むことができます。
窓を採光や通風を採るためだけのものと考えるのではなく、風景を切り取るフレームとして考えること。フレームで周りの景色をマスキングすることで、その切り取られた部分だけに焦点が当たり、今まで以上に窓の外の景色を意識するようになる、そのような効果を積極的に活かして、窓の配置や大きさを設計しました。
桜が満開ということもあるのでしょうが、意図した通り、家の中どこにいても外の桜の風景が目に入ってきます。春の桜も良いですが、新緑の季節や蓮の花の季節など、一年を通して季節の移り変わりを楽しめそうです。