「上越高田の家」今年は珍しく、上越でも積雪が少ないため外回りの工事が順調に進んでいます。例年であれば、春までは屋根や外壁などの外回り工事は完全に止まってしまうのですが。
今回、外壁に採用したのは「南京スギ下見板貼り」です。この工法は、上越地域、ひいては新潟地域全般で、昔から伝統的に採用されている工法で、昔ながらの新潟の住宅には必ずと言って良いほどこの外壁材が貼られています。杉板という材料が最も安価で手に入り易かった事、また、積雪の多い地域において耐湿性・耐候性の高い材料という機能面から採用されていたのかもしれません。
サイディング貼りや板金貼りの建物が多い中、昔ながらの杉板貼りの建物は、なんだか懐かしさを感させます。着色も、あえてアンティークな雰囲気になるような塗料を選び、新築でありながら、まるで以前からそこにあったような雰囲気をまとっています。また自然素材は、見る人に心理的な安心感を与えてくれるような気がします。
メンテナンス性や耐候性、コストなどを考えれば、サイディング貼りや板金貼りに軍配が上がるのでしょうが、自然素材には、それらを補って余りある独特の質感と味わいがあるように思います。