法隆寺前よりバスに乗り、東大寺へ。
東大寺バス停で降りる。
法隆寺とは異なり、観光客で溢れ、がやがやとした喧噪に包まれていた。
参道を歩き、南大門へと向かう。
正面に門が見えてくる。
都市でビル等の大きな建物に見慣れている今では、
その大きさに驚くことがないのかもしれないが、
創建した当時は、この世の者とは思えないほどの大きさであったのだろう。
法隆寺とは対照的に、重厚でどっしりとした表情。
門の下に入り、上を見上げる。
何重にも掛け渡された貫は、上部にいくに従って暗闇の中に消えていく。
廻りの雑音がすーーっと消え、天井の暗闇へと吸い込まれるかのような感覚。
装飾物は最小限に抑えられ、ただ柱と貫を組んだだけの無骨なデザイン。
構造形式がそのまま、形、つまり、様式となっている。
しかし、その愚直なまでのシンプルさがかえって、
この建物を作ったもの達の思いや力強さを表現しているのではないかと思った。