法隆寺を訪れて

法隆寺駅から法隆寺まで、ゆっくりと斑鳩の街並みを見て歩く。
普通の民家の土壁や屋根瓦や雨樋には、
所々に凝った意匠が見られ、
この地域に住むの職人の技術の高さや遊び心が垣間みれて楽しい。
街並が途切れた道の先、視界が開けたと思った途端、法隆寺が現れた。
回廊に囲まれた五重塔と金堂。
回廊内には、外の世界とは異なる
飛鳥時代のゆっくりとした時間が流れている。
回廊の外には、連子窓を通して緑の葉が風に揺れている。
閉じつつも、開いている空間。
囲われた安心感と視線が抜ける開放感を同時に味わえるような。
白砂利が敷き詰められたこの場は、
俗世とは異なる仏の空間であることを表現しているのだろう。
今私たちが生きている時間とは異なる、祈りの空間。
現実感が薄れる。

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