法隆寺を訪れて

法隆寺駅から法隆寺まで、ゆっくりと斑鳩の街並みを見て歩く。
普通の民家の土壁や屋根瓦や雨樋には、
所々に凝った意匠が見られ、
この地域に住むの職人の技術の高さや遊び心が垣間みれて楽しい。
街並が途切れた道の先、視界が開けたと思った途端、法隆寺が現れた。
回廊に囲まれた五重塔と金堂。
回廊内には、外の世界とは異なる
飛鳥時代のゆっくりとした時間が流れている。
回廊の外には、連子窓を通して緑の葉が風に揺れている。
閉じつつも、開いている空間。
囲われた安心感と視線が抜ける開放感を同時に味わえるような。
白砂利が敷き詰められたこの場は、
俗世とは異なる仏の空間であることを表現しているのだろう。
今私たちが生きている時間とは異なる、祈りの空間。
現実感が薄れる。

001法隆寺五重塔 005_2 004

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この記事の著者

金子勉
建築家 / 代表

金子 勉 Tsutomu Kaneko

美しい意匠設計に加え、高度な構造・設備設計までトータルで手掛ける建築家。無垢材などの自然素材を活かし、使い込むほどに味わいの増す空間と豊かさを実感できる暮らしを提案。新潟の風土に寄り添い、土地選びから建物診断、コンサルティングまで施主に伴走する家づくりを行う。