「建売住宅」というのは、まだお住まいになる方が決まっていない段階で設計・建設を行う住宅で、開発事業者が土地を購入して建物を建て、土地+建物を合わせて販売する、つまり、建てて売る住宅のことです。当然、建て終わってから販売するため、設計・建設をする段階では、お住まいになる方が決まっていません。(ちなみに建売住宅の反対は注文住宅です)
当然、お住まいの方が決まっている訳ではないので、建物の性能は、そこに住む方が求めるであろう性能を想定して決めることになります。販売する価格が安ければ安いほど、購入希望者は増えるでしょうから、できるだけ建設費を抑えるのが建売住宅の宿命で、そのため目に見えない部分の予算が削られる傾向にあります。特に耐震性能や断熱性能は、出来上がってしまえば見えない部分ですので、削られやすい運命にあります。(逆に目に見えやすい仕上げ材や設備機器は、購入希望者へ直接訴えやすい部分ですので、予算を掛けやすい部分といえるかもしれません)
ただ住宅に住む人は、建物の購入費だけを払って暮らす訳ではありません。最初に掛かる建物の購入費だけでなく、毎月の光熱費や建物メンテナンス費も、当然掛かってきます。
- 建物取得のために掛かる初期費用=イニシャルコスト
- 住まいを所有するために定期的に支払う費用=ランニングコスト
初期費用だけでなく、2つを合わせて考えることが大切です。建物の購入価格は安くとも、住んでからの光熱費が高額に掛かるようでは、良い買い物とはいえません。とはいえ、性能は目に見えない部分ですので、性能をきちんと数値で表記しているかが判断する目安になります。
と、そのようなことを考えて、建売住宅「ユニベールハウス岩室」では、以前よりも断熱性能をアップさせました。以前のユニベールハウス仕様は、平均熱貫流率(UA)値=0.64W/㎡Kだったのですが、今回は更に性能を上げ、UA値=0.47W/㎡Kとしました。新潟市では、省エネ基準でUA値0.87以下と性能規定されていますが、省エネ基準と比べ45%性能アップ、ZEH(ゼロエネルギーハウス)を上回るheat20 G1相当の断熱性能としました。また今回は断熱性能を自主的に計算するだけでなく、BELS(ベルス)と呼ばれる第三者評価機関による省エネ認証を受けています。
ただ、断熱仕様を上げたことで、建設費がその分、上がってしまいました。(とはいえ、断熱材料代の差額分、数十万円の差ですが。)建売住宅でここまで断熱性能を上げるのは、やりすぎ!と言われるかもしれませんが、ユーザー目線で考えれば断熱性能は、価格以上に外せない判断要素です。また光熱費だけでなく、断熱性能の高い家に暮らすことは、数値だけで表しきれない快適性があります。一年を通して気持ちよく快適に暮らす。その当たり前のことを実現するのが住宅本来の目的だと思います。
文章だけでは伝えきれない建物の断熱性能、ぜひ見学会などで体感していただきたいと思っています。見学会は、完成時期が近づいた頃にHPにアップする予定ですので、お見逃しなく。