夏場にコンクリート打設する際の注意点

基礎コンクリート打設

「岩室の平屋」現在、基礎工事が進行中です。基礎が配置される地面を溝状に掘り、型枠を設置し、鉄筋を配筋し、コンクリートを打ち込み基礎を作っていきます。生コン車で運ばれ、現場に打設された直後のコンクリートは、粘土のようにドロドロですが、(その日の気温や天気にもよりますが)午前中に打ったコンクリートは、夕方くらいには人が乗れる程度の硬さにまで固まります。

コンクリートは、水とセメントが反応することで硬化するのですが、その硬化反応は温度が上がるほど活性化します。今年の夏は、気温35℃を超える猛暑日が連日続きましたが、実はこの高気温、コンクリートを打つのにあまり良い条件ではありません。

早く反応して固まるのだから良いのでは?と考えるかもしれませんが、硬化時間が短いと、コンクリ表面に急激な収縮によるひびが入ってしまいます。表面のヘアークラック(髪の毛の巾のひび)程度であれば、構造強度上は大きな問題ではないのですが、コンクリートの表面をそのまま仕上げとする、打ち放し仕上げとする場合には特に注意が必要です。

可能ならば、猛暑日の炎天下でコンクリを打設することは避けたいのですが、連日猛暑日が続く今年の夏のような天気では、気温が落ちるのを待っていたら工程が進まず、そのまま秋になってしまいかねません。そのため、猛暑日でもコンクリ打ちを行わなければいけないケースも出てきます。

コンクリートは固まる時に、硬化熱を発生するため、打設後の温度管理が特に重要になります。気温の高い夏場にコンクリートを打たなければいけない時には、強い日が当たるようであればビニールシートで表面を覆って日影を作る、打設後にコンクリに打ち水をして表面温度を下げてやる、早朝や夕方の気温の低い時間帯に打設するなど、温度を上げないための対策をする必要があります。

今回の現場では、コンクリートを打ち終わった後に雨が降り、コンクリートにとって恵みの雨となりました。念のため、雨の日にコンクリートを打っても問題はないのか、といった質問に対する考え方を示しておきます。打設中に大雨が降ってしまうと、コンクリート中に多量に水が混ざり、コンクリート強度が低下し、望ましくありません。しかし夏場で、打設後であれば(表面を洗い流す程度でコンクリート内に水が混じらないのであれば)、雨が降って硬化温度を下げてくれるのであれば良い方に働いていると、考えることもできます。

夏場のコンクリート打設の注意点について書きましたが、冬場のコンクリート打設の注意点についても、また機会を作って書きたいと思います。