設計をすることは、コミュニケーションをすること
いきなりですが、最近思ったことを言葉にしてみました。設計の仕事といえば、図面を描いたり、模型を作ったり、スケッチを描いたりと、さまざまな業務がありますが、それらは全て依頼者や施工者とコミュニケーションする為のあくまで「手段」です。「手段」とあえて書いたのは、建築設計やデザインの現場で、それ自体が手段ではなく、目的となっていることが意外にも多いからです。
確かに、図面を描いて、模型を作っていれば、明らかにカタチが表れてくるため、設計を(デザインを)しているような気になります。しかし実は、それらは設計の手段でしかなく、設計の目的ではありません。では、設計の目的は何かというと、図面や模型などの現実的なものを使って、相手とコミュニケーション(意思疎通や対話)、つまり、共同幻想をする、という事です。せっかく図面を描いても、施工者にその意図が伝わらないのでは、まったく意味を成しませんし、いくら精巧に模型を作ろうとも、依頼者とイメージ共有することができないのであれば、これもまた意味を成しません。つまり設計の目的を達していません。
図面や模型、スケッチなど、様々な「手段」を駆使し、何とか「設計目的」であるコミュニケーションを図ろうとするのですが、互いのイメージを共有させるのは、なかなか困難なことです。インターネットやスマートフォンなどの技術が発達、普及してきた今後、設計の現場でも、新たなコミュニケーション方法が表れてくることが予想されます。以前に比べれば、メール、インターネット、リモート会議システムなど、コミュニケーション方法は、既に随分と発達してきてはいますが、この先、もっと有効に、もっとスムーズに、コミュニケーションを図ることができるようになっていけば、更に良い建築が可能になることができるはず!と、今後に期待しています。