設計事務所の設計する住宅は、デザインばかりが優先されていて収納が少なく直ぐにモノがあふれてしまう、と思われている方がいるかもしれません。(確かに、そのような設計者もいるかもしれませんが。。。)私の事務所では、例え居住スペースが多少減ったとしても、できる限り収納量を確保するよう、設計時に考えています。
折角、居心地がよく美しい空間を作ったとしても、物があふれてしまえば、その居心地の良さを圧迫してしまいかねません。多少居住スペースが狭くなったとしても、収納を多めに設けて、美しく保ちたい空間には、物を極力置かない、または、物を仕舞っておくというのが、正しい解法だと考えるからです。
また、ただ単に収納量を増やすだけでなく、収納する物の大きさや場所を考慮して、適材適所に物が納まるよう考えていくことも大切です。玄関収納には、靴やコート、スコップやガーデニング道具など、クローゼットには、洋服や下着類など、洗面にはタオルやストック洗剤など、キッチンパントリーには、ストック食材や食器類など。さまざまな収納物には、ここに有って欲しいという固有の場所があるはずです。
私はできる限り、作りつけ収納を建築工事で作ることを心掛けています。(いわゆる大工造作収納というものです)新築時に収納棚などが無く、住み始めてから収納家具を購入する、というパターンもありますが、それだと建築費の他に更に家具購入費が別に必要になってきます。全体でかかる費用を考えれば、建築工事の中で作ってしまった方が結果、総費用は安く収まるというケースは実は多いのではないでしょうか。