「立川の3世帯住宅」内装仕上げ材の選定を行なっています。「えっ?仕上材って設計の時点で決まっているんじゃないの?」と、お思いになるかもしれませんが、仕上げに使う材料自体は設計図面で指定してあるものの、その色やテクスチャー(柄)は、(私の事務所では)現場確認してから最終決定するようにしています。
実際に建ち上がってきた空間が、イメージしていたよりも暗い、または、明るい。思っていたよりも開放感を感じたり、または、閉鎖感を感じたり。また、他の仕上材の影響を受けることで、空間の感じ方が変化したりと。イメージしていた空間と現実の空間には、多少なりともブレが生じます。そのブレを調整する為、最終的な仕上材の決定を現場まで持ち越すようにしているのです。
空間がイメージよりも暗ければ、明るく反射率の高い仕上材を選ぶ、少し圧迫感を感じるようであれば柄が細かく平坦なものを、広がりのある空間であれば大柄テクスチャーで落ち着いたトーンのモノを、といったように。料理に例えれば、基本は設計図をいうレシピ通りにつくるものの、最終的な味の調整は、その素材の鮮度やその日の気温や気候、自分の体調などにより、少しアレンジを加えるように。