床フローリング材を選ぶ際のポイント

床フローリング選び

皆さんは床フローリング材を選ぶ際、何を基準にして選んでいるでしょうか。色目だったり、節の有る・無しだったり、値段だったりと、選ぶ基準は人それぞれだと思います。ただフローリング材と一言で言っても、種類は無数にあります。普通の人であれば、どれを選んでも良いと言われても、迷ってしまうだけでしょう。(フローリング材には、無垢のフローリング材だけでなく、表面材が貼られた積層フローリング材、表面が印刷されたフローリング材、と製造方法によってもいろんな種類があります。)

足触りで選ぶ

「立川の3世帯住宅」でのフローリングの選定基準は、木の硬さと足触りでした。リビングなどのお客さんの入るようなパブリックな場所には、しっかりした踏み心地の硬めのフローリングを。寝室や個室などのプライベートな場所には、足触りの温かい柔らかめのフローリング材を選んでいます。

パイン床フローリング

日本人は脚裏の感覚が鋭いと言われています。家の中ではスリッパも履かず、裸足で過ごしている方も多いのではないでしょうか。床材の質感変化は、足の裏を通して、人の気持ちに変化を与えてくれます。踏み心地の硬いフローリングは気持ちを引き締め、柔らかめのフローリングは気持ちをリラックスさせてくれます。

足触りの変化によって人の心に変化が起こります。見た目だけでなく、触り心地を重視してフローリング材を選んでみてください。ただし、表面にウレタンコーティングを施したフローリング材は、つるっとした触り心地で質感の差はありません。無垢材フローリングでも、表面仕上げによっては、質感が無いものもあるので選択の際には、ご注意ください。

香りで選ぶ

意外に忘れがちなのが、木自体の香りです。南洋材などは甘い香りがしますし、ウォルナットは香ばしい香り、ヒノキや杉は独特の爽やかな香りがします。床材は、それなりの仕上げ面積になりますので、無垢材で仕上がった空間は床材の木の香りに包まれます。その香りが好みのものかどうかは、意外に重要な要素です。忘れずに確認ください。

寝室にヒノキや杉の床材を使うと、木から発するフィトンチットという香り成分により、森林浴をしている気分で眠りにつけます。南国の雰囲気を作り出したければ、デザインだけでなく、南洋材を床材に貼ることで、甘い南国の香り漂う空間が実現できます。

部屋ごとに貼り分ける

床フローリング張り分け02

上の写真は、手前の部屋と奥の部屋で床材を貼り分けている部分です。手前がナラのフローリング、奥がパインのフローリングです。ナラは比較的硬めの素材で、パインは柔らかな素材です。床材が変わると、足触りが変わり、違った空間に入ったことが感じられます。

床材を一種類で統一するのも一つの方法ですが、写真のように部屋ごとに張り分けるのも、また面白みがあります。こちらの住宅は、LDKなどのパブリックな性質の空間にはブラックウォルナット、寝室などのプライベートな室にはパイン、その他の部屋にはナラと、さまざなな床材を使い分けています。

床材選定の際にはウェブで見て選ぶだけでなく、実施にサンプルを取り寄せ、見て、触って、踏んずけて、選ぶことが大事です。写真で見て印象が良かったけれど、実際に貼ってみたら思っていたのと違ったといったことの無いように。もし迷うようなら、自分の好みを伝えて設計者に相談してみてください。