新潟スノーピーク本社を訪れて

オートキャンプというカルチャーを作ったアウトドアギアメーカー、スノーピーク。こちらの本社は新潟県三条市という地方都市にあること、みなさんご存知でしょうか。それもこちらの会社、本社オフィスがキャンプ場の中に位置しているのです。市街地から車で約30分。街の風景が次第に田圃の広がる田園風景へと変わり、さらに山の中へと道は続いていきます。看板を頼りに目的地を目指しますが、この先に社屋などあるのだろうか?と不安になる頃、緑の切れ間にモダンな建物が見えてきます。

緑の芝生の広がる5万坪のキャンプ場。まさにその中に社屋が建っています。社屋の周辺の芝生の上に思い思いに車を止め、テントを張ってキャンプを楽しんでいるのは一般のお客さん達。平日にも関わらず、多くの人がアウトドアを楽しんでいます。会社の敷地内でキャンプを楽しむ人々といえばいいのか、それともキャンプ場の中に突如社屋が建つといえばいいのか。不思議な光景です。
オフィスの中に入ると、光溢れる開放的なオフィス空間が広がります。オフィスいっても机が規則的に並んでいるのではなく、吹き抜け空間の中にランダムにテーブルが並び、さながらお洒落な工房といった風情。至る所にガラス面が設けられ、建物内のどこにいても外の自然を感じられる空間となっています。また社屋内にはオフィスだけでなく、メンテナンス工房や製作工場、ショップなども納められています。

アウトドアギアを作る会社がキャンプ場の中にオフィスを持つ。そこにはユーザーとメーカーが同時に存在する、理想的なものづくり環境が実現していると思います。流通と情報伝達技術の発達とともに、製作現場とそれを使うユーザーとの距離が、年々、離れていっているように感じます。しかし本来、使う人の立場になってモノ作りを考える、使う人自身がものづくりに関わる、それがモノづくりのもっとも根源的な姿勢だと思います。その思想がこのオフィスでは表現されているように感じました。

オフィスを出ると、すでに外は夕暮れ。山の際に夕日が落ちていきます。ふと振り返れば、外壁のガラスに写る夕暮れの風景。建物が自然と一体になり、一瞬、存在が消えたように感じました。なるほど、外壁をガラス面で覆っているのは建物の存在を主張するためでなく、周りの自然を外壁に写し込み、建物の存在を消そうという操作なのかもしれません。

スノーピーク ヘッドクウォーター
住所:新潟県三条市中野原456
電話:0256-46-5858 (代表)
オフィス見学:予約が必要になります。hpで確認ください。
ストア営業時間:10時から19時
定休日:年中無休
キャンプフィールド利用もできます(要予約)。
また、テントやキッチンセットなどのレンタルあり。手ぶらでキャンプも可能。

スノーピーク本社 スノーピーク本社 スノーピーク本社