MITチャペルと道を挟んで反対に位置するフランク・O・ゲイリー設計の「MITレイ&マリア・スタータ・センター」へ。グリッドで構成された隣に並んだビルとは明らかに異なる表情。斜めに傾斜した壁面や曲面を描いた壁面が立ち並ぶ、激しいくらい動的な外観。台形や円柱など様々な形状の塔が一カ所に密集し、一つの建物を構成しています。
正直、私はこの手の建物はあまり好きではありませんでした。上っ面だけを派手に作り、見た目だけで勝負している、そんな建物でしかないと思っていました。しかし今回、この建物の内部空間を体験して、その考えは大きく変わりました。様々な形状の塔が集まって出来た隙間をとても効果的に使い、複雑で魅力ある内部空間が作り出されていました。
建物の中を歩いていると突然、上部から日が射し込んできたり、こちらからあちらの空間が見える。空間はアップダウンを繰り返し、クネクネと曲がり、気がつくと元いた場所に戻っている。そんな不思議な空間体験をすることができます。建物の中を歩いていながら、街の中を歩いている、そんな感覚に陥ります。カラフルな壁面の色使いによって、移動に従い、めくるめくように空間の質が切り替わっていきます。まるで一つのインスタレーション作品を体験しているような気分でした。
MITレイ&マリア・スタータ・センター
住所:32 Vassar St,Cambridge, MA 02139,アメリカ合衆国
開館時間:不明
※見学に関しては施設に直接問い合わせください。
私が訪れた際には、エントランスドアは出入り自由でした。