「ぎんなん保育園」の平面は、いくつもの円を組み合わせた形で出来ています。そのため、土台や梁材には曲面加工を施した木材が必要になります。当然、そのような曲率を描いた木材は一般的にはありませんので、特殊な加工をして製作しなければなりません。
今回、伺った加工工場は、新潟県長岡市にある志田材木店。どんな曲率でも設定できる特殊なプレス機で、ラミナ(挽き板)を張り合わせ、様々な曲率の集成材を加工できる技術を持っています。
集成材の作製現場を見るのは、私は今回が初めてでした。しかも今回、加工するのは曲面集成材。職人さんが手で一枚一枚、ラミナを積み上げ、接着状態を目視確認しながら、少しずつ調整して圧縮を掛けていきます。想像ではもっとオートメーション化されているのでは?と、勝手に思っていたのですが、実際には、職人の経験と感を元に1本1本が手作業で作られていました。
接着剤が硬化するまで時間をおき、プレス機から取り外すと、綺麗な曲面を描いた集成材が出来上がってきました。