「長岡希望が丘の平屋」提案模型を作製中です。両側を隣家に面するという計画地において、また、積雪の多い気候条件において、採光と通風を室内へ導くという条件から導き出したのは、ダイニング・キッチンの上部にぐるりと高窓を巡らせるという案でした。
そのまま何も考えず、隣家に面して窓を設けてしまえば、隣家からの視線が気になり、結局は一日中カーテンを閉じたまま、何て言うということになりかねません。また、あまり低い位置の窓では屋根から落ちた雪で窓が埋まり、折角設けた窓から採光通風ができないなんてことにもなりかねません。ダイニング・キッチンに1.5階分の高さを与え、天井近くに高窓を設ければ、人目も雪も気にせず窓を開けておくことができる、そのように考えました。また、その高窓も1つの面だけに設けるのではなく、ぐるりと4周ともに設ければ一年を通して太陽の光を室内に導くことができ、かつ、その光が日時計のように時間とともに室内を西から東へと移動していく風景を見ることができます。仰ぎ見る窓の外には、空や雲の変化。室内にいながら刻々と変わる外の天気が分かるような仕掛けを試みています。
雪の多い長岡という地域において、冬の間の室内の快適性は比重の高い設計条件です。雪に対して閉ざして防御性を高めるだけでなく、自然環境に対して積極的に開いて快適性も高める。そんないいとこ取りの案を提案をしていきます。