仙台から車を走らせ、牡鹿半島を目指す。
あの津波の発生から1年と7ヶ月の時間が経った。
メディアでは復興、復興とよく騒がれているが、
いったい本当の現状はどうなっているのか、自分の目で確かめてみたいと思っていた。
かつては、そこに集落があったのであろう場所は、
瓦礫が片付き、ただの空き地となっている。
しかしよく目を凝らせば、かつてそこに建っていたであろう家の基礎が
草むらに隠れ残っている。
目を覆いたくなるような、あの津波後の瓦礫の散乱した風景は確かに消えた。
ただ、復興というまでにはまだまだ遠い。
そこには、働く場が無い。
今必要なのは、復興直後の災害支援という、緊急に必要な支援ではなく、
今後はそこで暮らす人たちのために、仕事を作っていくというような支援の形だ。
老子の言葉、「授人以魚 不如授人以漁」を思い出す。
「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣りを教えれば一生食べていける」
復興支援の形は、時間とともに変化していく。
災害は終わっていない。今後とも長期的な支援が必要だ。