矢代田の家の現場へ立ち寄る。
中に入ると、ふわりとした杉材のとてもよい香りが漂っている。
先日、杉丸太から挽き出した無垢板を
丁度、天井へ張り付けていく工事の真っ最中。
肌合いといい、質感といい、香りといい、自然乾燥させた木は良い。
窓の外に広がる緑の樹々とのコントラストも美しく、
急に空間が落ち着きを得たように感じるます。
実は、この杉板、丸太から挽きだした順に並べて貼っています。
そのため、板の巾や赤白味がグラデーションのように変化していきます。
丸太の中心部の板は幅広で、端にいくに従って巾が狭くなっています。
昔の建物にはこのような作り手の遊び心というものが多く盛り込まれていました。
洒落っ気や粋な遊び心が空間を豊かなものにしていくのだと思います。
近年、効率や時間が優先され、このような遊びは少なくなってしまいました。
このような手間のかかる仕事を楽しんでつくってくれる、
施工者の計らいに感謝です。