「蓮野の平屋」計画地の現地調査、施主さんへのヒアリング、設計検討を経て、提案プランが形になってきました。提案プランは、V字型平面を持つ平屋案としました。傾斜地に面した細長い敷地に、道路側に対しては閉鎖的に、傾斜地の竹林に対しては開放的にと、対照的な空間を構成をしています。
V字型の建物は基本的にはワンルーム空間。折れ曲がったワンルームのあちら側とこちら側で、互いの気配は伝わるが視線は通らない、という付かず離れずの関係性を作り出しています。
また建物に直角ではない、特徴的な角度をつけたのは、室内から見た際の傾斜地の竹林の見え方を考慮したため。ある場所では、手が届くほど竹林に近づき、ある場所では、距離感を持って竹林を眺められるよう引きの距離を設けています。場所ごとで、竹林の見え方が異なり、借景に多様性を生む、という事を意図しました。