新潟浦山のコートハウス、大工工事はほぼ片付き、床を養生(保護)していた板が外されました。一旦床に貼ったフローリングは工事の途中で傷がつかないよう工事の最後まで保護材で隠してしまいます。今まで雑然としていていた現場が、床材が取れた途端に生活空間へとがらっと変化しました。
今回、リビングダイニングの床に選んだのはハードメープルの無垢材。ハードというだけあってランダムな表情が印象的です。個室部分の床には、杉の無垢材を選びました。パブリックな空間にはやや硬めの床材、プライベートな空間には柔らかな床材。床の硬さで空間の質を変えるということを試みています。
日本人は脚の裏の感覚が鋭いと言われます。硬い床を踏めば気持ちが引き締まり、柔らかい床を踏めば気持ちが緩むのではないか。そんな風に考え床材を選びました。形ではなく、感覚をデザインすること。最近はそのようなことを考えながら、設計をしています。