中野のコートハウス、内装工事が大詰めです。電気、設備、家具、建具など多くの職人さん達が現場の中で作業を行っています。この時期が一番、現場に活気があります。この段階までくると、設計者は現場指示することも少なくなりますが、完成検査の準備や引き渡し事項の確認、細かな納まりの最終チェックなど、今までとは違った業務で忙しくなってきます。
こちらの建物、少し変形した台形の敷地形状に合わせてあるため、建物の平面も整形ではありません。両側の壁が平行ではなく、やや角度がついています。そのためか部屋の広さがちょっと不思議な感じ。トリックアートの様に部屋の奥にいくとその人の背が伸びたように感じるというような。3番目の写真を見ると、畳の納まる部分の脇に台形の形が現れているのが見えます。このような角度が平面の所々に現れています。更に勾配天井を採用することで、その効果を上げています。
今回の家は、床面積がとても小さな家です。部屋といっても巾4m弱しかありません。そのまま何も考えずに作ってしまえば、とても狭苦しい部屋になってしまう恐れがありました。壁に角度をつけ、天井に勾配をつけ、壁と天井を分節せずに真っ白く塗ったのは、少しでも空間が広く感じられるよう、意図して行なったものなのです。