「立川の3世帯住宅」平面詳細図、断面詳細図、仕上表、展開図、設備関係図などなど、実施図面もだいぶ書き進み、全体の抑えが一通り済みました。ここでやっと一段落といった感じです。が、安心はしていられません。図面を書きながら変更や調整を加えた部分がありますので、再度模型を作ってスケールや室内の雰囲気などを確認していきます。
今回は、具体的な仕上材も決まってきたので、模型の内側には仕上材の同様の色を張り付け、椅子やソファなどの家具を配置し、より現実感が増すよう内部インテリアまで作り込んでいます。模型の中を覗くと、小人の家のように実際に出来上がるであろう空間が現れています。
出来上がった模型は敷地方位に合わせて置き、一日中、陽を当てます。朝には東の方向から陽が差し込み、昼には高い角度から差し込む陽、夕方には赤味のある西日が室内に差し込んできます。模型の中を一日を通して覗いていると、実際にどのようにこの室内へ陽が差し込んでくるかが良く分かります。単純に太陽の光は窓から直接差し込んでくるだけでなく、壁や天井にバウンドし、柔らかく室内へ回り込みます。そのような効果まで考えて室内の明るさをシュミレーションするには、模型が一番だと思います。
模型を覗いて気がついた部分、窓の位置や大きさ、壁の位置、仕上材の色目や質感など、更に調整を重ねていきます。平面を書いて仕上材を決めたら設計は終わり、とは簡単にはいきません。