「見附の2世帯住宅」へ写真撮影に伺ってきました。こちらの住宅、竣工して丸3年が経ちました。久しぶりに訪れたのですが、3年経ったとは思えないくらい、とても奇麗に暮らされていました。真ん中に中庭を配置した、ドーナツ平面の2世帯住宅。中庭(コート)を介して、あちらとこちら、2つの世帯が向かい合っています。中庭側に設けた窓は、地窓であったり、高窓であったりと、互いの世帯の視線が合わないよう、周到に配置しています。直接は覗けないけれど、互いに気配を感じながら過ごすという、ゆるい繋がりを実現しています。
吹き抜けに設けたジグザグの鉄骨階段。毎日の暮らしがこの階段を介して行なわれているそうです。暮らしの中心的な存在として、視覚的な拠り所でもあり、生活リズムの拠り所にもなっている階段。昔であれば大黒柱や床の間であったかもしれませんが、暮らしの手掛かりとして、自分生活を託せる拠り所として、そのような中心的な設えが暮らしの中にあるということはとても大切なことだと思います。
吹き抜けとスキップフロアによって、複雑な断面を与えられた空間は、とても不思議な体験を実現しています。吹き抜けのダイニング、半地下の天井の低いリビング、プライバシーの守られた個室。様々な性格をもった空間は、奥へと移動するに従い、目の前に次々とシーンが展開していきます。
施主さんから美味しい珈琲を入れて頂き、時間の過ぎるのも忘れて、ついついゆっくりとしてしまいました。お施主さん、お忙しい中お時間いただき、ありがとうございました。
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