上越高田の平屋、いよいよ現場作業がスタートしました。まずは基礎を設置するため、地盤面を掘削してきます。今回は地盤面にかかる建物の重さを計算し、地盤が建物の重さに耐えうると判断したため、地盤改良を行わずに、直接地盤の上に基礎を載せることにしました。ただ闇雲に判断した訳ではなく、きちんと地盤調査を行い、その調査結果を元に技術的な判断をしています。
地盤改良を行わないことで建設費が抑えられます。地盤耐力は、設計者も施工者もどうしても余裕を持って安全側へ考えてしまうため、十分な地耐力があったとしても地盤改良を行い、無駄に建設費が上がってしまうことがあります。実際の地盤状態を見極め、地盤調査の結果をよく見て、判断することが大事です。
当然のことですが、建物を載せる地盤深さは地盤調査の結果を見て決めるのですが、あくまで調査データというものは参考データでしかありません。設計者として実際に地盤を目視し、建物を載せる地盤面の土を踏みしめて本当に強度が出ているのかを確認することは大切です。
構造計算の数値を頭に思い浮かべ、どの部分にどの程度の重さがかかるのかイメージしながら掘削した土の上をあっちへこっちへと歩き回って現状を確認します。今回、一部掘削深さが足りない部分があったので、掘り増しをして補正を行ないました。土に埋まってしまえば見えなくなってしまう部分だけに、慎重な見極めが必要。建った後に建物が傾く、なんてことの無いように。