「亀田東町のコートハウス」も、いよいよ完成間近です。オープンハウスで、ある設計者から指摘されたのですが、私の設計した建物はどうやらディテールの繊細さにポイントがあるようです。確かに図面を書き進める際には、ごちゃごちゃとした線や要素を無くしたいと考えながら、設計をしています。では、なぜそう考えるのか?あらためて、自分に問いかけてみたいと思います。
壁と床、扉と手掛け、枠と壁など、建築を構成している要素は、様々な部分で取り合いが生まれています。その取り合いの部分には大抵、巾木や枠、見切り材などの仲介する部材が取付けられます。しかもその仲介部材は、他の主要な構成要素よりも目立ってしまいがちです。例えば、壁に取付けられた巾木は、その壁や床以上に目立ってしまったり。
私はその仲介している部材が、不純であると考えているのかもしれません。できればその存在がないのが理想だと。ただ、施工上の必要性からどうしても無くすことができない。そんな部材は、極力、存在感を消してつくるように意識しているのかもしれません。すっきりとできだけ目立たないように。目立つところを作り出すのではなく、消していくことに力を入れるデザイン。そんな引き算のデザインの手法もありだと思います。