ヨルゲン・ボー+ヴィルヘルム・ヴァラート設計「ルイジアナ近代美術館」を訪れて

ルイジアナ現代美術館01

コペンハーゲン中央駅から電車に乗って約40分。Humlebek駅で下車し、駅から歩いて10分。ルイジアナ近代美術館へ行ってきました。こちらの美術館は、コペンハーゲンからのアクセスが非常によいので、日帰りでも余裕を持って楽しめます。とはいえ、見どころはたくさんあるので時間に余裕を持って出かけた方がおススメです。

こちらの美術館は、オースレン海峡を見渡す丘の上に建っています。この美しい景観を妨げないよう、建物は樹々の中に隠れるように高さを低く抑えられ、丘のアップダウンをトレースするように自然の地形に沿って配置されています。展示空間を巡っていくと、ある場所では地下へと潜り、ある場所では高台へと登り、まるで丘の上を散歩しているような空間体験ができます。

ルイジアナ現代美術館02

館内を散策していて目に入るのは、美術作品だけでなく、樹々の緑や海の景観です。館内に点在されるアート作品と同列に、所々に自然の風景が展示されているような構成となっています。建築物というよりも、建築と自然が溶け合ったランドスケープと言った方がしっくりくるかもしれません。

館内を歩いてアートを干渉し、疲れたら椅子に座り、お茶しながら窓の外の風景を眺める。そんな風に、ゆっくりと一日を過ごすことができます。さすがコペンハーゲン、館内においてある椅子はヤコブセン・チェアだったりします。

ルイジアナ現代美術館03

この美術館、とても落ち着いた雰囲気があるのですが、なぜなのかと考えてみると、それは天井高さを抑えていることから来るのではないかと思いました。下の写真で、身長の高いデンマークの方と比べると、かなり天井が低いのが分かるのではないでしょうか。

ただ、天井が低いからといって圧迫感がある訳ではありません。独特の落ち着いた雰囲気が存在しています。低い天井と大きな横長の大開口ガラス窓。その2つの効果によって、外へと自然と意識が向く。そんなことを意図して作ったのではないかと想像しました。

ルイジアナ現代美術館

海峡を見下ろす丘の上では、楽器の演奏会が行なわれていたり、芝生に寝転んでいる人がいたり、カフェで食事をする人がいたり、みんな思い思いにこの場を自由に使いこなしています。美術館というよりも、広場といった方がしっくりくるかもしれません。ここにいるとアートが特別なモノでなく、とても身近なモノとして感じることができます。

展示品を見るだけでなく、この心地よい空間でゆっくりと一日、時間を過ごしてみてください。とても豊かな時間が流れていて、きっと時の経つのを忘れてしまうことでしょう。

ルイジアナ現代美術館04

Louisiana Museum of Modern Art
住所:Gl Strandvej 13, 3050 Humlebæk, デンマーク
開館時間:月曜休館、火曜~日曜11:00~22:00
参考web:Louisiana Museum of Modern Art

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