設計に掛かる期間はどのくらいか

実施図面作成

「粟生津の平屋」プロジェクト。しばらく期間が空いてしまいましたが、ぼーっとサボっていた訳ではありません。施主さんと打合せを重ね、打合せで決まった内容に沿って実施図面を作成し、その図面をもとに更に打合せを行い、何度も図面修正を行っていました。

設計は、基本設計→実施設計という流れで、段階を踏んで、より詳細な検討が進んでいきます。基本プランを検討する際に作成する縮尺1/100程度の平面図や立面図は、基本設計図面。さらに詳細な各種図面や仕様書などは、実施設計図面と呼びます。

今回、住宅一軒建てるのに作成した実施図面はA3×80枚。作成するのは、平面や立面などの意匠図面だけでなく、設備図や電気図、構造図とさまざまな種類に渡ります。たまにパパっと簡単に図面を描けないかと問い合わせを受けることがあるのですが、これだけの枚数の図面、そう直ぐには描けるものではありません。(それも施主さんの意向をきちんと汲み取った上でとなると、それなりに時間も掛かります)どんなに急いだとしても、実施図面の作成に最低でも一か月はかかります。

実施図面が全て揃った段階で、施工会社へ工事見積もり依頼を行い、出てきた工事見積金額がオーバーしていれば、更に金額調整と図面修正をしていきます。このように、基本プランが決まったからといって、直ぐに工事を始めることはできないのです。

模型作製

私の事務所では、工事が始まるまでに

  • 基本設計に3か月
  • 実施設計に2か月
  • 見積もり調整(金額調整)に1か月

と、設計に6か月(約半年)掛かるパターンが一般的です。当然、この目安よりも多くの時間を掛ける方もいますし、あまり時間が掛けられず、できる限り短くする方もいらっしゃいます。木造2階建て程度の住宅であれば、工事期間は6ヵ月掛かりますので、設計期間+工事期間合わせて最初の設計相談から住み始めるまでに1年という期間がおおよその目安になります。

完成すれば、そこで長い時間を過ごすことになる家。せっかくですので、じっくりと時間を掛けて考え、自分らしい家を作っていただきたいと思います。そのために設計事務所へ設計を依頼している訳ですから。

思い描いていた暮らしが図面や模型となって現実に表れてくるのは楽しい瞬間です。これからどんな暮らしが実現していくのか思い描くことが、ワクワクしない訳がありません。家が出来てからの暮らしは当然、楽しいでしょうが、そこに至るまでのプロセスと設計期間も、積極的に関わって楽しんでください。