土地の地盤強度を調べる

スウェーデン式サウンディング地盤調査02

建設予定の土地が、どの程度の地盤強度を持っているか、どのくらいの重さに耐えられるか、を調べる方法として地盤調査があります。地盤調査には、さまざまな方法がありますが、比較的小規模な木造で採用されているのは「スウェーデン式サウンディング試験」です。

建物を建てる場合、その建物の重さを土の上に載せても地盤が重さに耐えられるか、不均一に沈むことがないか、など調査する必要があります。深さ10m以内の比較的浅い地層を調べるのに適した方法として「スウェーデン式サウンディング試験」があります。他にもボーリング試験、載荷試験などの試験方法がありますが、他の調査はスウェーデン式サウンディング試験に比べ、調査機材が大掛かりになり、調査費用は割高となります。

余談ですが、試験名称になぜスウェーデンという国名がついているかというと、スウェーデンで開発された試験方法で、広く旧スウェーデン国鉄が敷設調査で採用していた方法が日本に伝わったため、と言われています。しかし、一般的に呼ばれているスウェーデン式サウンディング試験は通称で、「スクリューウエイト貫入試験方法」が正式名称です。

スウェーデン式サウンディング地盤調査01

スクリューウエイト貫入試験方法」という名称の通り、先の尖がったスクリュー棒を地面に突き刺し、その棒の上に重りを載せて回転させ、どのくらい貫入していくかを測ることで地盤強度を測定します。

スクリューが突き刺さりにくければ、良好な地盤。するすると簡単に突き刺さっていけば、軟弱な地盤といった判定になります。

スウェーデン式サウンディング地盤調査01

調査方法には、「自動式」と「手動式」の2種類がありますが、今回は「手動式」です。重りを載せたり、はずしたり、と調査員が目視確認して、その都度、細かな調整を行う必要があるのですが、その分、地中深くの地盤状態を感覚的に把握することができます。自動式ですと、調査機械が自動で重さを調整していくので、分かりにくいのがデメリットです。

ただし、手動式の場合は、調査記録も手書きです。その分、見落とし無いよう、入念なチェックが必要ではありますが。。。

スウェーデン式サウンディング地盤調査01

上の写真は、調査後に引き抜いたスクリューの先端です。先端に泥がついています。先端についた土を見ることで、地盤面下の土の状態をある程度把握することができます。表層は比較的しっかりした地盤に見えますが、表層面の下は泥炭層であることが予想できます。

今回の地盤調査状況を見る限り、あまり良い地盤とは言えず、地盤改良が必要な確率が高いと予想されます。今回の試験により、どの程度の重さまで地盤が耐えられるのかが算定できます。その算定値よりも、建物の荷重量が軽ければ、地盤改良しなくともよいとなりますし、建物が重ければ地盤改良が必要となります。

地盤改良が必要か、不必要か、で地盤改良費の分、工事費が変わってきます。改良の度合いにもよりますが、30~40坪の建坪の建物で70~100万程度の改良費用が掛かります。その費用を見込んでおかなければ、着工してから予算オーバーとなりかねません。できれば工事が始まる前、(可能であれば設計中に)地盤調査を行うことをおススメします。

これまで新潟県内で数十棟の建物を設計してきましたが、地盤良好・改良無しの判定が出たケースは1割にも達しません。ほぼ9割以上の敷地が軟弱地盤判定となってしまいます。流石、新潟。「潟」とつくだけあって、軟弱地盤大国です。新潟で建築を行う際には、地盤改良費を見込んでおいた方が間違いないと思います。