桧仕上げの在来工法浴室

「そりっどハウス」の浴室は、ユニットバスでなく、在来工法を採用しています。在来工法というのは、ユニットなどの既製パーツを使わず、高基礎や土間床を利用することで桶状のコンクリート防水床を作って、浴室を作る工法のことです。(在来というだけあって、ユニットバスが登場する以前からあった工法です)

浴室在来工法は、工場で製作されたパーツを現場でぱたぱたと組み立てるユニットバスと違い、基礎・左官・防水・設備・大工・電気工事と工事職種が多岐に渡り、手間と時間がかかります。しかし、様々な仕上げを採用でき、どんな間取りでも対応が可能、という利点もあります。(以前は在来工法だと床が冷えるというデメリットもありましたが、現在では断熱技術が上がり、高断熱仕様でも対応が可能になっています。)

また、その中間を良いとこどりしたハーフユニットバスという選択肢もあります。浴槽などの下半分はユニットバス、上半分は在来工法というものです。下部がユニット化されているので防水上の施工処理が簡易にできるのがポイントです。上部の在来工法部分は、仕上げが自由に選択できるのが、この工法を選択する利点です。

コストと性能を重視するのであれば、ユニットバス派。仕上げ材と自由な間取りを重視するのであれば、在来工法派。両方の良いとこ取りをしたいのであれば、ハーフユニット派。と、私の事務所では、同じくらいの比率で3派に分かれます。

下の写真は、在来工法浴室です。壁と天井は、桧(ヒノキ)板仕上げ、床は鉄平石風の黒いタイル張り、中庭に面した側には大きな窓を設けています。和風旅館のような、ちょっと懐かしい上品な雰囲気に仕上げてみました。このような雰囲気はユニットバスには出せません。夕方の光が浴室に射し込み、樹々の影を壁に落としています。浴槽に浸かれば、窓の外には緑の樹々と青い空。開放的なバスタイムを愉しむことができます。明るい時間から浴槽に浸かって、音楽でも聴きながら、のんびり過ごす。そんなシーンが浮かんでくるようです。

在来工法浴室