「燕のガレージリノベーション」現在、大工工事が進んでいます。こちらの写真は、外壁側の壁の内側にもう一枚、内壁を施工している写真です。なぜわざわざ、もう一枚壁を施工するのか?には、大きな理由がありました。
もともとのこちらの建物は車庫(倉庫)でしたので、壁や天井には断熱材が一切入っていませんでした。この無断熱の車庫を、住居スペースに変えるには、断熱工事は必須です。このまま断熱せずに、リフォーム工事を行って仕上げをすれば、見た目だけはきれいになりますが、その居場所が夏熱く、冬寒いのでは、快適に過ごすことはできません。そこで断熱性能を上げるため、内装工事に先立って、部屋をぐるりと囲うように断熱リフォーム工事を行いました。
上の写真は、新たに設けた内側の壁の中に断熱材を入れ込んだ施工写真です。残念ながら、部屋の広さは内側に壁を設けた分、狭くなってしまうのですが。こちらの部屋は2階にあるため、外壁周りだけでなく、下階の天井面にも断熱を行っています。外壁側と同様に、今まであった天井面を断熱材を入れる分だけ下げ、新たに天井を2重に設けました。天井、外壁、床下と部屋のすべての面に、ぐるりとひと筆書きのように断熱材を施工しています。
通常の建物では、外壁内部に断熱材を充填するのですが、今回のリフォーム工事において、内壁全てを一度解体し、断熱材を入れ、再び内壁を仕上げていては、解体費の分、工事費が割高になってしまいます。そこで、今ある壁を解体せずそのまま残し、その壁の内側に新たに壁を新設し、断熱材を入れるという方法を採用し、壁の解体費を節約し、さらに解体で発生するごみの量を削減することにしました。魔法瓶のように部屋の内側に断熱材を施工するイメージというと、分かりやすいかもしれません。
また、この方法を採用したもう一つの理由は、既存建物の精度でした。既存の建物はすでに傷みが進んでおり、壁や床が水平、垂直でないという状況でした。水平・垂直でない壁をそのまま使えば、仕上がった床や壁も、斜めに仕上がった空間になってしまいます。新たに設置する内壁(内部床)であれば、正しく水平・垂直を出すことができます。新たに作る内壁内に断熱材を入れ込むことで、断熱性能も上がり、かつ、水平垂直も出すことができる。一石二鳥!の解決方法です。