「立川の3世帯住宅」先日から描き進めていた実施図面が完成しました。建築意匠図や構造図、設備図、電気図など、図面枚数100枚以上になります。1軒の住宅を建てるのに、ここまで図面を描くのは少し多すぎるのかもしれませんが、細かな仕様や納まりを的確に現場へ伝えるためには、どうしても枚数が多くなってしまいます。
職人さんにぱっとイメージ写真を見せて、こんな感じでと、伝えるだけでイメージ通りの空間が出来れば良いのですが、現実にはそんな簡単にはいきません。図面を通して職人さんへ具体的に作り方を伝えることができなければ、頭の中で思い描いていた空間を実現することはできません。
料理も同じですが、完成写真を見せれば、すぐにおいしい料理が出来る訳ではありません。材料の選び方から材料の加工や調合方法、彩りや盛りつけ方法など、そのレシピ(調理方法)を具体的に伝えなければ、確実にそこへ辿り着くことはできません。設計者は、設計図面=レシピを書くことで現場へその空間の作り方を伝えているのです。