京都詩仙堂へ行ってきました。ここを訪れるのは6年ぶりです。訪れる度に違った印象を受ける建物というものがあります。ここ詩仙堂もその一つ。訪れる季節や気候によって見える風景が異なることがその大きな要因でしょうが、その時の自分の気持ちによっても見える景色が違ってくるのだと思います。心がざわついている時に感じる景色、心が落ち着いている時に感じる景色。同じ物を見ても感じ方は少しづつ変わってくるもの。今回はどのように見えるでしょうか。
以前は建築が庭の自然の増幅装置として作用していると感じました。あくまでも庭が主役だと。しかし今回は庭よりも建物自体に目が引かれました。一見、建物は控えめな設えに見えますが、よくよく目を凝らしてみると、場所毎に様々な素材を使い、竹の雨樋や蛍壁仕上げなど、かなり凝った意匠をちりばめています。それが庭よりも目立たないよう上品に上手くまとめている。庭と建物、どちらが主張しているではなく、ちょうど良い強度でお互いにバランスしているように見えます。
ただ、建物が自然の増幅装置になっているという印象は、前回同様に感じました。建物があることで庭の緑がより強調されているように感じます。風や雲の流れ、梢の音、土の香りなど。室内に座っていると外にいる以上に自然の変化に敏感になります。室内でありながら、外にいるよりも外を感じる空間。目を閉じて座っていると心が落ち着いてきます。
詩仙堂web
住所:京都市左京区一乗寺門口町27番地
開門時間:9時〜17時(受付は16時45分まで)
拝観休止日:5月23日(詳しくはwebで確認ください)
拝観料:大人500円、高校生400円、小中生200円
電話:075-781-2954