青木淳設計「雪のまちみらい館」を訪れて。設計者の青木さんといえば、動線体という設計コンセプトがまず頭に浮かぶ。設計コンセプト自体、非常に説明しにくいのだけれど、私なりに解説すれば、建物を目的空間ごとに分節して考えるのではなく、分節の出来ない無目的で勝手気ままな人の行動のまま、空間を分節をせずにずるずると繋げ一筆書きのような動線空間を実現する、というような意味。
そんなコンセプトを意識しつつ、建物内部を巡る。エントランスからは螺旋状スロープで上へと繋がっていきます。ポリカーボネイト板で覆われたスロープは半外部空間。まるで雁木を通り抜けていくような感覚。螺旋スロープは建物を取り巻いていて、一周廻ると再びエントランスへと戻ってきます。確かに、空間を分節することなく、広くなったり狭くなったりと変化をしながら、ずるずると繋がる不思議な空間。建物を巡って私が感じたのは、単純な空間ではなく、空間+時間が実現していること。空間+時間=体験。設計者は空間自体でなく、空間の体験を意識して設計したのではないだろうかと、思えた。
雪のまちみらい館HP
住所:新潟県上越市安塚区安塚 722 番地 3
開館時間:9時から16時(開館時間の詳細は直接施設へ問い合わせください)
休館日:土日祝
入館料:無料
電話:025-592-3988