「矢代田の家」の加工場へいってきました。現場から施工を請け負っている新発田屋までは、車で20分。加工場では、明日建て込む屋根垂木を大工さんが加工中でした。設計図面を確認しながら、1つ1つ垂木を釘で留め付けています。
今回の建物には、大黒柱の様に単独で建つ柱が1本あります。これを丸柱にしたいと現場へは伝えていました。しかし、丸柱を探すと、どうしても銘木銘 木したものしかない。そこで銘木材のイメージを消すため、山桜の角柱を8角に丸鋸で落とし、さらに「ちょうな」と呼ばれる大工道具でラフに削りだしてみま した。
「ちょうな」で、少しずつ削っていくのは、根気のいる仕事です。私もやって見ましたが、歯の角度が定まらず、また力加減も調整が利かなくて、なかなか上手くいきません。そこはさすがに大工さん、「ちょうな」を使いこなし、いとも簡単にさっさっと削りだしていきます。
柱のプロポーションを確認しながら、中央部分をやや多めに削り、スレンダーな形状に整えています。最後には、とても面白い表情の柱材が出来上がりました。どこにもない、矢代田の家のための、まさに1本だけの柱です。